スピーカーのグレードアップ
以前、デミオの純正スピーカーをALPINEのセパレートスピーカーSTE-G170Sに交換した記事を書きました。その時は、10,000円程度の出費で、驚くほど音質が良くなったことに感動しましたね。
あの時以来、禁断のカーオーディオという名の底なし沼に、片足を突っ込んでしまった私ですが、この度更なる音質アップを目指して、スピーカーのグレードアップを行うことにしました。
ALPINEから新発売されたXシリーズ
前回の記事の終わりではDDL(DDリニア)シリーズの購入を検討…と書いていましたが、それから間もなくDDLシリーズのラインナップ更新の噂が流れ始め、2016年9月には、14年ぶりのフルモデルチェンジ製品群「Xシリーズ(公式サイト)」が発売されました。
スピーカーやオーディオ製品においては、新しいものが、必ずしも良いものではないとされているのですが、なにせ14年ぶりのフルモデルチェンジに私も居てもたってもいられなくなってしまい、発売から半年経って実際に取り付けたユーザーのレビューなども充実して、尚且つ肯定的な意見が圧倒的だったため、この度購入に踏み切りました。
購入したもの
発売当初は35,000円程度だったX-170Sも、かなり価格がこなれてきて最近では25,000円前後で入手できます。カー量販店では未だに定価販売をしていることが多いので、自分で取り付け出来る方は、ネット通販一択でしょう。
元々着けていたSTE-G170Sはそのままリアスピーカーに流用することにしました。 なので、バッフルボードも追加で必要になりましたので、今回はメーカーを合わせてちょっとイイものをと思い、ALPINEのハイブリッドタイプのインナーバッフルボードKTX-Y171HBを購入(STE-G170Sの時はcarrozzeriaのMDF合板のインナーバッフルを使用)。 この製品、モノ自体はとても素晴らしいのですが、DJ系デミオに取り付けるにはちょっと問題がありました(後述)。
STE-G170Sのときにもお世話になった、いつものデッドニングキット。Amazonで買うとカー量販店の半額以下です。今回はリアスピーカーのデッドニングに使用しました。
届いたX-170Sがこちら。箱も究極にシンプルで気合入っていますね。
ウーファー取り付け
マツダ・DJ系デミオへの、セパレートタイプスピーカーの基本的な取り付け方法は、以前にSTE-G170Sの記事で画像付きで解説を行っていますので、そちらを御覧ください。
まずはサクッとドアの内張りを剥がし、以前着けていたスピーカーを取り外します。
この取り外したスピーカーは、後ほどリアスピーカーに取り付けます。
今までフロントで使っていたSTE-G170S(右)、今回購入したX-170S(左)。
ウーファースピーカー1つとっても、明らかに金のかけ方が違っていますね。こうして実際に左右を見比べてみると、同じスピーカーなのに、どの部分も大きくレベルアップしているのがお分かりいただけると思います。
例えば、コーン紙には、繊維密度が従来品より圧倒的に細かい「ナノファイバー振動板」を、またエッジ(スピーカーの端)は一般的なロール形状とは異なり、大入力時でも変形が少なく信号特性が変わりにくい「ダブルギャザードエッジ」を採用しています。
ボイスコイル部も従来製品よりかなり大きく、その周囲をXシリーズのモチーフカラーであるゴールドのリングが華やかに彩っています。
まあウーファースピーカーは、どんだけ華美になっても取り付けてしまうと見ることは出来ないのですが、ALPINEの場合はほとんどが音質改善に寄与するものなので、機能美にあふれていますね。
そして、予め購入しておいたALPINEのハイブリッドインナーバッフル「KTX-Y171HB」を空いたスピーカーホールに取り付けていきます。
が、しかし…どう頑張ってもDJデミオの純正スピーカー用グロメットが付いていた穴と、バッフルボードのネジ穴の位置が上手く合いませんでした。
バッフルボードのプレートはアルミダイカスト製なので、追加の穴を開けるわけにもいかず、仕方なくドアのモジュールパネルのほうに追加で穴を開けました。
また、このバッフルボード、車体側への固定をナットとボルトで行うのですが、ナットがいわゆる「ナイロンナット*1」という、非常に固着力の強いタイプで、普通にナットを裏から指で抑えて取り付けても共回りしてしまうので、ペンチをホールの中に突っ込んで抑えることで、なんとか共回りを防いだのですが、かなり面倒です。もう2度とやりたくないレベル。
最悪、ドアモジュールパネルを外してしまえば、裏側からのアクセスも容易になるため取り付け出来るのですが、流石にそこまでやりたくはなかったので…
こういった理由で、KTX-Y171HBはおすすめできません。もしDJデミオにスピーカー換装を予定されている方は、パイオニアのUD-K612(金属仕様)もしくはUD-K522(MDF合板仕様)を使用したほうが良いでしょう。
こうしてインナーバッフルボードの問題を乗り越え、いつものように付属のケーブルの端子を加工してなんとか取り付けたX-170S(R)(スピーカー接続端子についても以前の記事を御覧ください)。
内張りを付けて見えなくなってしまうのがもったいなくらい、かっこいいですねー。
ツィーター取り付け
ツィーター取り付けに関しても、ウーファースピーカー同様にSTE-G170Sの記事で解説を行っています。
X-170Sで、以前のSTE-G170Sとの大きな違いがあったのは、ネットワークとツィーターでしょうか。
ネットワークもほとんどの車両で見えなくなる(見えなくする)部品なのですが、ゴールドのラインが入っていたり、外観にヘアライン加工がされていたりと、無駄にデザインが凝っています。また、ネットワーク内部のジャンパピンを差し替えることで、ツィーターの出力や、位相(Normal, Reverse)の調整を行うことが出来るようになっています。
ツィーター・ネットワーク交換は、本当にただ入れ替えるだけだったので、あっという間に終わりました。
以前使っていたSTE-G170Sのツィーター・ネットワークを取り外し、同様の手順で接続するだけです。
また、X-170Sのツィーターは、スラント型スタンド(斜め向き設置)か首振りタイプのスタンド(写真)を選べるようになっており、取り付け位置や高音の好みに合わせて設置できるようになっています。
私の場合は、STE-G170Sのようなフロントガラスに反射するスラント型の音の指向性があまり好きではなかったので、今回は高音域が直接座席に届く首振りスタンドを使用しました。
Xシリーズのテーマカラーのゴールドが配色されたツィーターですが、近くで見るとなんてことないただの塗装なので、ちょっと安っぽく感じてしまいます。
せっかくだから金メッキでもしてくれればよかったのに… ただ音は抜群に良いです。
STE-G170Sをリアに移動
これまでフロントで使っていたSTE-G170Sは、リアのDJデミオ純正スピーカーと入れ替えます。リアスピーカーも17cm径なので、フロントと同じものがそのまま流用できます。
リアドアの内張りなどの剥がし方は、フロントドアとほとんど同じですが、スピーカーが取り付けられているグロメットの形状が異なっており、抜け防止のツメによってガッチリ固定されてしまっているため、外すのにかなり難儀します。
私もかなり苦戦した挙句、もうどうしようもなかったのでバーナーで樹脂を溶かして小さくして外しました(笑)※真似しないで下さい
その後、元々フロントにあったcarrozzeriaのインナーバッフルボードを取り付けていきます。
そして毎度お世話になっている、エーモンのドアスピーカー周辺用デッドニングキットを使って、制振・吸音加工をしたあと、スピーカーを接続。端子は既に加工済みなのでこちらもフロントに比べて、あっという間です。
スピーカーの周囲には前回取り付けた遮音材が付いていますが、ちょっとへこたれてしまっているので、ドアの内張りの方にも遮音材を貼り付けておきます。
これで、全てのスピーカーの換装作業が終わりました。
感想
音の感じ方というのは個々人で差がありますが、このスピーカーはおそらく大多数の人が満足できる音を出してくれると思います。
今回の換装で、特に強く感じたのが、ツィーターの交換による高音域の変化です。
これはもう、誰が聞いても分かるレベルで明らかに良い方向へ大きく変化します。なにせ音の解像度がとても良いため、今まで聞こえていなかった楽器の音色や、メインボーカルに隠れていたコーラスのハーモニーなどが分かるようになりました。
またツィーターの向きを変えられるので、自分好みの音場に調整できるのも素晴らしいですね。
低音も、STE-G170Sに比べると良く出るようになり、今まで感じていた若干の篭り感もなくなり、音のキレが増しました。場合によってはサブウーファーの搭載まで考えていましたが、個人的にはこのX-170Sだけで満足したので、現状サブウーファーは不要と考えています。
またリアスピーカーも純正スピーカーから換装したことにより、前後の出力バランスがとれたことで車内全体で聴きやすい音になりました。
STE-G170Sに変えた時も大いに感動したものですが、X-170Sの場合はそれ以上です。ここまでやると、もうドライブが楽しくて楽しく仕方ないですね。
さあ、次はパワーアンプだ…
*1:ナットのネジ山のお尻側に、緩み防止のためのナイロンリングが入っていて、とても強い固着力を発揮する