マツダコネクトでアーティスト名がおかしくなる問題を解決する

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マツダの純正コネクティビティシステム、マツダコネクト。

デミオの時から付き合いですので、使用期間はもうかなり長くなりました。

昔からあまり評判のよくないシステムでしたが、CX-5になってからはAndroid Auto/CarPlayに対応したこともあり、ナビとしてはメインで使うことも多くなく、そこまで不満があるわけではありませんでした。

しかし、最近とうとう我慢ならないことに気付いてしまいました。

それは「音楽再生時に楽曲のアーティスト名がおかしくなる」という問題。

アルバムアートワーク(ジャケット画像)の表示がおかしかったり、ナビの使い勝手が悪かったりするのはまだ良いのですが、本来の正しいものが表示されずシステムの都合で変な表記に変えられるのは耐えられません。

ということで今回は、マツダコネクトでアーティスト名がおかしくなる問題を解決してみます。

原因はGracenote

マツダコネクト(以下、マツコネ)の音楽再生は主に「音楽の入ったUSBメモリを差し込んで再生する」「ミュージックプレイヤーをUSBで接続する」「Bluetoothでスマートフォンなどと接続し再生する」の3通りがあります。

多くの人は便宜上スマホをBluetoothで接続して使用していると思います。私もその一人です。ただしこの問題はどの接続方法でも起こります。

なぜならばマツコネでは、Bluetoothで接続された音楽を、マツコネ内部のデータベースで処理して再生しているから。

その役割を担うのが「Gracenoteデータベース」と呼ばれるものです。

して、このGracenoteが非常にポンコツで、アーティスト名がおかしかったり、アルバムアートワークがおかしくなるのはだいたいこいつが原因です。

音楽ファイルには、id3tagと呼ばれる楽曲情報(曲名、アーティスト名、アルバム名、ジャンル、アルバムアートワークの関連付け)をまとめたデータが一曲一曲に付けられています。

iTunes(現ミュージック)等の音楽管理アプリで「情報を見る」「プロパティ」などで編集できるアレです。

普通の音楽プレイヤーであれば、楽曲を読み込むとこれらの情報を参照して楽曲情報を表示し、関連付けられたアルバムアートワークの画像を表示します。当たり前ですね。

しかしGracenoteは異なっており、なんと楽曲のタグを優先せずに、Gracenoteに含まれている情報から類似している物を引っ張ってくる仕様になっています。

一体どうしてこんな処理をすることになったのか…一説にはマツコネの処理速度を維持するための物だと言われていますが真実は不明です。

ただ、仮にこういう処理が実際に行われているのであれば、アルバムアートワークが全てスマホの音楽アプリでは表示されているのにもかかわらず、マツコネ上で表示されるものと表示されないものがあることにも納得がいきます。

 

Gracenoteだとこういう表示になるという一例

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例えばマツコネでASIAN KUNG-FU GENERATIONの名盤「ソルファ」を再生すると、上のように全ての項目が正しく表示され、アルバムアートワークもちゃんと中村佑介氏のアレになっています。

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次に、私が最近ハマっているシャニマス(THE IDOLM@STER SHINY COLORS)のユニット、アルストロメリア(Alstromeria)の、2018年10月発売の1stシングル、「BRILLI@NT WING 05 アルストロメリア」を再生すると、上のようにアーティスト名がAlstromeria Records(調べたところ、東方projectの楽曲アレンジサークルのようです)に変化します。

さらにアルバムアートワークは表示されず、ジャンルで設定してあった「アニメソング」のデフォルト画像になっています。

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同じくシャニマスから、アンティーカ(L'Antica)というユニットの2019年6月発売「FR@GMENT WING 03」を再生してみました。かーっ!

アーティスト名がANCHORになっていますね。サイゲームスの音楽制作子会社CymusicにANCHOR(アンカー)という作曲者さんがいますが、この状況では「アン」しか合致してません。アルストロメリアの時はまだなんとなくタグの関連付けが理解できましたが、これに至っては意味不明です。どういうロジックなんでしょうか。アンカーとアンティーカの語感がちょっと似てるとか、そういう感じですかね…

 

参考までに、マツコネのサイトでダウンロードできるGracenoteの更新用システムファイル(最新バージョン:00.09.000、2018年のもの)のサイズは176MBとなっています。

この中にある程度有名なアーティスト、曲名、アルバム名、圧縮されたアルバムアートワークなどがデータベースで内蔵されており、接続された曲名からデータベース内の情報を呼び出して表示している…というのがおそらく正しいのだろうと考えています。

しかし、古今東西和洋の楽曲情報とアルバム画像が176MBに収まるとは到底思えません。

実際、アルバムアートワークに関しては有名アーティストのベスト盤などはほとんど表示されました。そしてアニソンのようなニッチなジャンルや、2018年以降に発売されたものに関しては全て表示できませんでした。

 

Gracenoteを更新する

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作業前に調べた感じだとおそらく従前の考えがほぼ正しいのですが、現象の切り分けのために、Gracenoteミュージックデータベースを最新のものに更新することにしました。

これでアルバムアートワークはともかく、アーティスト名がちゃんとid3tagから引っ張ってこれるように修正されていれば、後述する「最終解決手段」を使わなくても済みます。

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現在のデータベースバージョンは納車時から変わっておらず00.08.000。2018年10月に現行バージョンの00.09.000が、マツコネOSの70.00.110と同時にリリースされ、マツダコネクト公式サイトからダウンロードできるようになっています。

私の車は2018年11月生産だったので、OSはAndroid Auto/CarPlay対応のため必ず70.00.110にする必要があったのでしょうが、Gracenoteデータベースまでは重要視されず一個前のバージョンのままだったようです。

Gracenoteデータベースの更新は非常に簡単で、マツコネOSの更新のようにわざわざディーラーに行かずとも、パソコンとUSBメモリさえあれば10分程度で完了できます。

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手順としては、公式サイトから最新のGracenoteデータベース更新ファイルをダウンロード(直接ダウンロードはこちら)します。

そのファイルをUSBメモリのルート(一番上のフォルダ)にコピーし、そのUSBメモリを車両通信用USBポート(CX-5ならコンソールボックスの中の手前側にあるUSB端子)に差し込みます。

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エンジンをONにし、マツコネの「HOME」→「Setting」を選択、タブの一番右にある「システム」から「ミュージックデータベース更新」を選択します。

最新のGracenoteデータベースを検索するか問われるので「検索」を選択。

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更新ファイルが見つかると、上記のような画面になり現在インストールされているバージョンとUSBメモリの中にある最新のバージョンが表示されます。

「アップデートパッケージ」を選択。次に、インストールしますか?と聞かれるので「インストール」を選択。

f:id:holy-jolly:20200514210131j:plainプログレスバーが表示され更新がスタートします。だいたい9〜10分ほどかかります。"今は"エンジンを切らずに待ちましょう。

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更新が完了すると上のような画面が出て、マツコネが自動で再起動します。

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システムが無事に更新されました。「Setting」の「システム」タブにある「システム情報」から現在のバージョンが確認できます。さてさて最新バージョンで修正されたのかどうか。

Gracenote最新バージョンで表示はどうなったか

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Ver00.09.000への更新で、アルストロメリアは正しく表示されるようになりました(私が設定したid3tagの情報になった)。アルバムアートワークは消えてしまいましたが、そもそもデフォルト画像だったので出ようが出まいが問題ありません。

この時点ではおっ、いけるかな?と思ったのですが…

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アンティーカの方は相変わらずANCHORでした。いや、本当にどういう仕組みなの?アートワークも出てるし…

というわけで、Gracenoteの最新バージョンでもダメだったので、現段階ではもうどうしようもないことが判明しました。最終解決手段を使用します。

 

最終解決手段(Gracenote無効化)

Gracenoteをぶっ壊す!

つまり、データベースを無効化してしまえばどの曲でもid3tagから楽曲情報を引っ張ってこられるようになります。

こちらも手順は非常に簡単です。

途中までは前述の「Gracenoteを更新する」と同様ですので、Gracenoteの更新ファイルが入ったUSBを車両に挿してください。

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ちなみにVer. 00.09.000に更新してしまった後でもこの方法は使えます。先ほどと同じようにアップデートパッケージを選択。

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インストールが始まります。

進捗状況を示すプログレスバーは1分ほど経過すると一気に半分近くまで進むのですが、そこで一旦止まります。そうしたらエンジンを切りマツコネをシャットダウンします

「再始動しないでください」と書いてありますが構わず切ります。心を鬼にして。

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エンジンをオンにすると、上記のような表示になりOKを押すとマツコネが再起動します。

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「システム情報」でGracenoteのバージョンが「現在利用できません」になっていれば無効化成功です。

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かくしてアンティーカもちゃんと表示されるようになりました。他のアーティスト名がバグってた楽曲も一通りチェックしてみましたが、全てid3tagで設定したものと同じように表示されていました。

再有効化もできます

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Gracenoteデータベースを無効化した後でも、「Gracenoteを更新する」と同じ手順を行うことでGracenoteを再度有効化することもできます(上記画像の時間に注目)。

Gracenote無効化の利点と欠点

Gracenote無効化のメリットとしては、表示がおかしかった楽曲情報が全てid3tag基準の正しいもので表示される、という点です。その一点に尽きます。

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無効化することのデメリットとして、上の画像のようなGracenoteデータベースに含まれているアルバムアートワークが、一切表示されなくなります。

この時、アルバムアートワークが無いものはジャンルに応じた画像が表示されていましたが、その機能も無効化されるため、ミュージック表示画面では右側に白枠が表示されるのみになってしまいます。

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ただ私の場合、上の画像のようにナビ画面の2分割マルチで右半分に再生中の楽曲情報を表示させて使用することが大半のため、アルバムアートワークの非表示は特に問題になりませんでした。

Gracenoteの次の更新に期待しましょう

まとめますと、現段階では「アーティスト名などがバグることもあるがアルバムアートワークを表示させたいからGracenoteを使う」か「アルバムアートはどうでもいいので楽曲情報表示をちゃんとさせたいのでGracenoteを無効化する」のどちらかしか選択肢がありません。二者択一です。

Android Auto/CarPlayのコネクテッドカー機能を使えば、どちらもスマホのOSベースになるので正常に表示されますが、通勤などでいちいちUSB接続するのも面倒ですし…(私はAndroid Autoはある程度の長距離運転の時しか使っていません)

全てが完璧になるためには、Gracenoteが次のバージョンでこのあたりの不合理を修正してくれるのを待つしかなさそうですね。