海外通販でPayPalを使うときは日本円で支払うより現地通貨の方がお得です

f:id:holy-jolly:20200520173640j:plain

海外通販の心強い味方、PayPal(ペイパル)。

クレジットカード情報漏洩のリスクを減らせますし、不着や届いた商品が違うといったトラブルにも「買い手保護制度(Buyer Protection)」のおかげで安心して買い物ができるので、使ったことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、みなさんはPayPalを使って買い物をするとき、「為替レート」と「為替手数料」には注目していますか?

実は、支払い画面でちょっとした変更を行うだけで、数%支払い金額がお得になる方法があります。

PayPalの為替手数料は高い

個人から売り手(セラー)にPayPalを使って代金を支払う場合、買い手側には送金手数料(売り手にとっての商用支払いの受領手数料)はかかりません。

しかし、海外からの通販であれば、当然価格表記は現地通貨のものになっており、これを日本円に換算して支払う場合、通貨換算手数料と呼ばれるものが発生します。

詳細はこちらで確認できますが、ペイパルでは全ての通貨で一律4.0%の為替手数料がかかっていることが分かります。

この4.0%、高いと思いますか?それとも妥当だと思いますか?

 

クレジットカードの為替手数料は…

さて、ここで私がメインで使用している三井住友カードの為替手数料(表記は事務処理手数料となっています)を見てみましょう。

f:id:holy-jolly:20200520164025j:plain

三井住友カード(VISA/MASTER)で2.2%となっています。PayPalと比べて実に1.8%もの差があります

1.8%って大したものではないのでは?と思うかもしれませんが、例えば1,000ドルの買い物をした場合、ペイパルのレート(4%)では約4,300円の手数料が加算されますが、日本のクレジットカードのレート(2.2%)であれば約2,370円の手数料です。ちょっと支払い方法の内容を変えるだけで2000円弱の手数料が浮くことになります。

f:id:holy-jolly:20200520164831j:plain

もう一例上げますと、楽天カードではAMEXを除き1.63%(JCBは1.6%)と非常に良心的な手数料となっています(ただ、三井住友やMUFJカードも以前は1.6%だったのが2019年の消費税変更前後に2%+税の2.2%になった経緯があるので、現在手数料率が1.6%の会社も安心できませんが…)。

 

注意点:タイミングの違い

以上から、海外通販でPayPalを使うのであれば日本円換算で支払うよりも外貨で支払った方が良いというのがお分かりいただけたかと思います。

ただし!ひとつだけ注意点があります。それが「売り上げデータ到着までのギャップ」です。

PayPalで日本円換算した場合、その当日の通貨レート(JPY=X)にPayPal所定の為替手数料を追加したレートが表示されています。

f:id:holy-jolly:20200520165457j:plain

上の画像で赤枠で囲っている部分ですね。1円あたり何ドル、という表記が日本でよく見るものと逆なので分かりにくいですが、この記事を書いている日の通貨レートは「1USD=107.79JPY」。逆算して「1JPY=0.0093USD」でした。

赤枠の中は「0.00888USD」、これはつまり「0.96JPY」なので、ペイパルが1円あたり0.04円分、つまり4%の手数料を、赤枠の中のペイパル換算レートに組み込んでいるのが分かります。

ペイパルで日本円払いをした場合、それこそ表示通りの金額がクレジットカードに請求されます。もしその後、商品が到着するまでに為替が大変動しようが関係なく、決済したタイミング=確定した支払い金額になります。

しかし、外貨ベースで支払った場合、そのデータはクレジットカードのシステムに外貨金額のまま到着します。そしてそのデータが到着するまでには(カードにもよりますが)2〜4日を要し、到着した時点の為替レートが適用されます。

つまり、PayPalにおいて現地通貨で決済した場合、その後数日間は為替の変動の影響をうける可能性があります。

もし1ドル100円の時に100ドルの商品を買った翌日に1ドル110円になった場合、買ったときは10,000円の支払いで済むと思っていたのが11,000円の請求になる可能性もあるし、その逆もしかり。ということです。

2、3日で為替が大きく変動するというのは滅多にないことですが、今年2月末から3月頭にかけて、新型コロナウイルスの影響で2週間の間にドル円の為替が10円近く上下したことも記憶に新しいと思います。

そういうことの影響がある可能性もある、という点だけは気をつけましょう。

 

PayPalで支払い通貨を変える方法

上記の注意を頭に入れた上で、PayPalで支払いに使う通貨を変更する方法です。

f:id:holy-jolly:20200520171358j:plain

上の画像はPayPalの支払い画面です。大体のECサイトでカートの支払い方法選択で「PayPal」を選んだり、バナーを押すとここに飛んでくると思います。

一番上の赤枠、「$1.30 USD」と書いてあるのがそのサイトでの合計金額です。

その下、「¥146 JPY」と書いてあるのがPayPalのレート適用後の日本円価格。

「1.30ドル÷0.00888」で計算したのが146円という数字ですね。

PayPalに登録してあるクレジットカード選択部分の中に「通貨オプションを表示」というのがありますね。そこをクリックすると、下のような画面が開きます。

f:id:holy-jolly:20200520171954j:plain

ここで上のJPY USDとなっているボタンのUSDを押すと、

f:id:holy-jolly:20200520171958j:plain支払い金額が日本円から米国ドルに切り替わります。!に書かれた注意事項は前述した通りのこと(レートの決定タイミングと、カード会社所定の為替手数料について)が書いてあります。「USDで支払う」をクリックすると、

f:id:holy-jolly:20200520172447j:plain

赤枠の部分の金額が現地通貨の金額に変わるので、このまま支払えばOKです。

 

以上です。海外通販を利用する時は、大きな金額になることも多いと思います。

そんな時に、このことを知ってるだけで金額にもよりますがランチ1回分〜ディナー1回分くらいのお金を浮かすことができるので、積極的に活用して行きたいですね。

また、クレジットカード会社によっても手数料は異なりますので、所持しているカードのポイント還元率や開催中のキャンペーンなども併せて、うまく利用していきましょう。