私が購入したCX-5は2019年品質改良のモデルで、この改良モデルからCX-5、CX-8ではAndroid Auto(アンドロイドオート)とApple CarPlay(カープレイ)に対応しています。
間も無く発売が予定されているMazda3(新型アクセラ)などももちろん対応予定となっていますが、それ以前の車種でも新しいUSBハブに換装しマツダコネクトのバージョンアップを行うことで対応車種に更新出来る予定となっています。
今回は納車から4ヶ月経ち、Android Autoを使ってみて色々と出来ること・出来ないこと、良い点・悪い点が見えてきましたので、まとめてみました。
接続
マツダコネクトとAndroid Autoを接続する方法は、今の所有線接続しかありません。
もちろんスマートフォンとのBluetooth接続は従来通り音楽再生・通話などで使用できますが、ひとつのスマートフォンに対してはどちらかのみの接続となっています。
ただしスマートフォンを2台使う場合、例えば運転者のスマートフォンを有線接続しAndroid Autoへ、同乗者のスマートフォンをBluetooth接続し音楽再生、という使い方は可能です。
マツダコネクトに接続できるUSB端子の位置は決まっており、コンソールボックス内の上側、スマートフォンのアイコンが付いている端子と接続した時のみマツダコネクト側でAndroid Autoを認識します。
一台のスマートフォンに対してはUSB接続とBluetooth接続は排他的なため、Bluetoothで音楽を聞いている時にUSB接続を行うとBluetoothの接続は強制的に停止します(Bluetooth Audio Disconnected)。
その後、マツダコネクト側のEntertainmentのデバイス項目にUSB接続されたスマートフォンが表示されて選択できるようになります。
こういった仕様ですので、私の場合、常日頃から有線接続はしておらず、ナビが必要な場所へ行く時のみ有線接続してAndroid Autoを使用しています。
接続にはリール巻き取り式のUSBケーブルが便利です。
上の写真にあるAmazonで購入したUSB-USB TypeCの巻き取りケーブル(1400円)を使っているのですが、伸ばす時は両側で均等な長さに伸び、戻す時は巻き取る力が非常に強く、イライラしないためオススメです。
Android Autoでできること・できないこと
Android Autoで何ができるのかというと、大きく3種類に分かれます。
・Google Mapを使用した地図表示、検索、ナビ
・スマートフォンの音楽アプリを使った音楽再生
・通話、簡易メッセージなどの送信
Google Mapでできること
まず最も重視されるであろうナビ機能です。
基本的な使い方はほとんどスマートフォンのグーグルマップアプリと変わりません。
ただインターフェースがより既存のナビに近いものになっている事、操作などを全てコマンダーコントロール・音声認識で行えるため、スマートフォンアプリよりも画面を注視する必要もなくなり、より自動車の運転時の操作に特化した形に進化しています。
目的地の検索はスマートフォンアプリで検索した最近の履歴、個人のお気に入り、カテゴリなどで行える他、音声入力(OK, Google)を使った検索、キーボードを使った手入力にも対応していますが、マツダコネクト画面上で使えるキーボードはqwertyのものではなくABC...のリング式なので不便です。ただしこの時はスマートフォン側でもキーボード操作を受け付けているため、停止時などにササッと入力することもできます。
ただ、私はキーボードはほとんど使わず、もっぱら音声入力を使用しています。
「OK, Google」の呼びかけでも起動しますし、マツコネのコマンダーコントロールノブを右に倒すとどの画面でも音声入力が起動しますので、覚えておくと便利です。
基本表示は道路地図ですが、Google Earthの衛星写真データを使うこともできます。ただデータ量が重めですので、電波状況によっては読み込みが遅いこともあり、私はあまり使用していません。
経路オプションなども当然設定できるようになっています。
走行中・ナビ開始後でも変更でき、即座に先のルートも変わるため、融通がきき便利です。
ナビを表示した画面でも、再生中の音楽が次の曲に変わった際は画面上部に曲名とアーティスト名・ジャケットがポップアップで5秒ほど表示されます。
この辺りはマツダコネクトのナビよりもずっと優秀ですね(マツダコネクトは2画面にしないと曲名がわからなかった)。
ナビ中の画面はこのような表示になります。
左側2/5は常にナビの順路・残り距離・時間が表示されますが、自車位置などは右3/5の領域の中央に表示されるようになっているので、思っていたよりもインターフェースは見やすいものになっています。
また、ナビ性能に関してはGoogle Mapと同様ですので特に不満は感じていません。道路上の混雑状況も常時表示できますし、混雑回避ルートなども適宜提案してくれるようになっています。
ただ、マツダコネクトの画面が7インチWVGA(800x480)と、最近の車種にしては小さめということもあり、地図の細かい文字が潰れてしまい読みにくいことがあります。
マツダコネクトだけを使っている時はさほど気にならなかったのですが、Google Mapのような画面内情報量の多いものを表示している時は解像度の悪さを感じるようになりました。
この点は現行アテンザの8インチ、時期Mazda3の8.8インチ(こちらは解像度アップの噂もあり)は非常に羨ましく感じています。
音楽再生でできること
音楽再生についてはAndroid Auto独自のものではなく、スマートフォンにインストールされている音楽アプリが使用されます。
Android Auto上での音楽再生に対応しているかどうかはAndroid Autoの対応アプリのページで確認できます。有名どころはほとんど対応している印象ですが(Powerampも掲載されていませんが対応しているようです)、日本製アプリ(SONY Music CenterやONKYO HF Player)は未対応のものが多いようです。
また、SpotifyやAmazon Musicなどのストリーミング系サービスはほぼ対応していました。
私は昔からjetAudio+というアプリを使っていますが、こちらも対応済みでした。
再生画面のインターフェースはどのアプリでもほぼ同じになりますが、その他のボタンがアプリごとにわずかに異なっているようです。
例えばjetAudio+には高音域を綺麗に出力するCrystalizerという課金オプションがあるのですが、そちらのON/OFFボタンやアプリ内での「お気に入り」ボタンなどが表示されています。
再生画面でコマンダーコントロールを左に倒すとハンバーガーメニューが展開され、アーティスト・アルバムの選択なども可能です。
Amazon Music Unlimitedの無料体験中だったので、Amazon Musicアプリをダウンロードして使ってみました。こちらも問題なく表示されています。
再生するアプリは画面下のヘッドホンマークから選択可能です。
下のバーはAndroidでいうナビゲーションバーと同じ役割を果たしており、どの画面でも常時表示されており、コマンダーコントロール下で移動できます。
一番右のメーターのようなマークはAndroid Auto画面を終了しマツダコネクトに
戻ることもできます。その際それまで使っていたナビ・音楽などは維持されます。
ちなみに、Android Autoで音楽を再生する際の音質ですが、有線接続のためBluetoothよりは良く感じます。遅延がほとんどないのも嬉しいですね。
というかマツダコネクトのBluetoothコーデックが今だにSBCしか対応していないせいでもあるのですが…
電話でできること
ナビゲーションバーで電話アイコンを選ぶと直近の通話履歴が並んだ画面に移動します。ここから電話を折り返すこともできます。もちろん通話はハンズフリーです。
コマンダーコントロールを左に倒してハンバーガーメニューを展開すると、スマートフォンに接続してある連絡先やダイヤルパッドも使えます。
電話・SMSに関してはマツダコネクトに付いているものと大差ないので、あまり語るべきことはありませんね。
できないこと・不満点
Bluetooth接続
BluetoothでAndroid Autoに接続できないのが非常にもったいないです。他社製の2DINナビでAndroid Auto対応のものがBluetooth接続ができるものもありますので、マツダコネクト固有の問題ですね。
基本的には乗車時にUSBケーブルを挿すだけなのですが、その後どこかに立ち寄ったりしてスマートフォンを持ち出すときなどはいちいちケーブルの挿し直し作業が発生するので、ワイヤレスに慣れてしまった身からすると、かなり面倒に感じます。
マツダコネクトのバージョンアップで対応してもらえることを期待。
ミラーリング
スマートフォンで再生している動画をマツダコネクト画面に表示する、いわゆるミラーリング機能はありません。結構重要なところだと思うですけどね…
マツダコネクトには映像用のAUX端子を増設するキットがありますが、私はそこまでして車内で動画がみたい訳ではないです。
ただ、ちょっとした時にスマホよりも大きい画面で動画などが見られたらいいなぁと感じているので、ミラーリング対応は切実にお願いしたいところです。
タッチ操作
私はマツダコネクトの時でもコマンダーコントロールで操作することがほとんどだったので、そこまで重要視はしていませんが、Android Auto起動時はマツダコネクトのタッチ操作は使えなくなります。人によっては不便と感じるかもしれません。
画面サイズ・解像度
デミオで使っていた時は全く気にならなかった7インチディスプレイですが、CX-5でAndroid Autoを使うようになってから、解像度の低さと画面サイズの小ささ(特にベゼルがワイドっぽい見た目なのに左右が切れているところとか)が目につくようになりました。
だからと言ってアルパインのX11ナビをつける気にはなりませんが、せめてもう少し高解像度のものが付けられなかったのか?という疑問符は残ります。
良い点
アップデートが豊富
Android Autoを含め、全てのアプリはスマートフォン側で起動しているアプリですので、マツダコネクトはただの受け皿にすぎません。
マツダコネクトのアップデートはディーラーに行かないといけませんが、Android AutoはOTAで勝手に更新されてどんどん機能が追加されていきます。
Googleもコネクティッドカーには力を入れているでしょうし、将来性は大いに期待できる部分です。
システムフォントが反映される(重要)
スマートフォンのシステムフォントはAndroid Autoの表示画面にも反映されます。
一般の人はどうでもいいと感じるかもしれませんが、フォントに一家言ある私はかなり重要視しています。というか単純に嬉しいです。
上の写真では音楽アプリですが、Google Mapの地図にも全て選択したフォントが使われますので、可読性などはある程度自分でもコントロールできると思います。
まとめ
「ナビ・音楽再生は問題なし、それ以外の機能のアップデートに期待」
ナビに関してはスマートフォン画面でのナビよりもはるかにわかりやすくなったため、特に不満はありません。
音楽再生についても、無線よりも音質も良く、無線接続で出ないジャケット画像などもきちんと表示されますので個人的には文句なしです。
ただ、現状では「マツダコネクトでもできること」がちょっと便利になっただけ、という印象はぬぐえません。
Android Auto/CarPlayだからこそこういうことができる、というナビに対するメリットがまだまだ充実していないというのが現実です。
とはいえ、Android Autoはこれから進化の余地は大いに残っています。Mazda3でマツダコネクトも新型になり、その恩恵をCX-5でも受けられるかもしれません。
マツダコネクトとAndroid Autoの今後に期待したいと思っています。