私がCX-5を買った理由のひとつに「ロードバイクを簡単に運べる」というのがあります。
以前に乗っていたデミオでも1台であればリアシートを倒せばロードバイクの両ホイールを外した上で、横に寝かせて積めばなんとか運ぶことができていましたが、固定も到着後の組み立ても面倒ですし、振動などの対策にも不安がありました。
SUVで荷室の広いCX-5はその点実際どうなのか?実用に値するのか?というわけで、本格的なサイクルシーズンを前に、実際に車載してみることにしました。
サイクルキャリア選定
車載用サイクルキャリアには、大まかに分類して3種類存在します。
ルーフキャリア
まず一番有名であろう、ルーフレールを利用して車の屋根にロードバイクを載せる「ルーフキャリア」タイプ。非常に目立つのでよく街でも見かけますし、グランツールなどのレースなどでもサポートカーに付いているので、ローディにとってはおなじみの光景ですよね。
このタイプは、車内スペースを圧迫しないため、多人数での移動時や自転車以外の荷物を積んでいる場合などに車内を広く使えるのが最大のメリットです。
また、ロードバイクの前後ホイールを付けたまま積載できる製品もあり、積み下ろしにホイール脱着が不要になるため、目的地に到着後すぐに自転車に乗ることができるというのも良いですね。
しかし、デメリットとして、ルーフレール・キャリアを合わせたトータルの購入費用が得てして高額(システムキャリア一式+自転車用アタッチメントで6万円〜)になる傾向があり、またロードバイクは車外にむき出しになってしまうため、雨や黄砂でロードバイクが汚れてしまったり、盗難対策も必要となります。
また、最大車高が通常時よりも非常に高くなることから、最低地上高の低いトンネルや立体駐車場でロードバイクをぶつけて破損してしまう可能性もあります。
さらに、ロードバイクの積み下ろしも、高い位置で行うために手間がかかります。積み下ろしに使うための脚立等の補助具は必須です。
リアキャリア
次に車体の後ろ側にロードバイクを固定する「リアキャリア」タイプ。クロカン系の車などで、MTBなどを固定しているのをよく見かけるのがこのタイプですね。
こちらはルーフキャリアと比べて、かなり出費を抑えられますし、積み下ろしも簡単、ホイールも付けたまま運搬可能と、一見メリットも多いですが、車外にあることのデメリットはルーフキャリアと同様です。また、雨天時はルーフキャリアよりもリアタイヤからの水しぶき・泥などがつきやすい傾向があり、手の届く位置にあるため盗難も容易になってしまいます。
最大のデメリットとしては、リアキャリア使用時は後部ハッチ(トランク)の開閉ができなくなる点でしょうか。
車室内キャリア
最後に、車内にロードバイクを固定する「車室内キャリア」タイプ。
ハイエースなどのよっぽど長い車でないかぎり、ほとんどの車でリアシートは犠牲になりますが、それ以外は汚れない・盗まれない・価格も安価・積み下ろしが簡単・使わないときの取り外しも容易と、良いことづくめです。
デメリットとしては室内高の高い車種でしか使えない・リアシートが使えない・積載にあたって前輪の取り外しが必要という点くらいでしょうか。
このようなメリットから、ロードバイクに乗っている人が使うのも、車室内キャリアの割合が多い気がします。
というわけで、私も今回CX-5に使用するサイクルキャリアとして、車室内キャリアタイプを購入して積載テストを行ってみました。
TERZO EC25Mを購入
今回購入したのは、PIAAのブランド・TERZO(テルッツォ)の1台積み用インテリアサイクルキャリア、EC25Mです。2台積み用のEC23Mもあります。
車室内キャリアタイプにもいくつか製品がありますが、1台積みで省スペース・設置・固定が簡単なのはTERZOのEC25Mだけでした。
有名メーカーMINOURAやinnoからも車室内キャリアは発売されていますが、固定用のベースを突っ張り棒のように車内に固定するか、1台積みでは置くだけのものがほとんどです(ミノウラ・バーゴ、イノー・インナーバイクフォークなど)。
この点、TERZO EC25Mはベースの接地面積が大きいのでズレに強く、面ファスナーやベルトで簡単かつ強固に固定できること、使わないときの取り外しも容易そうということで、1台積みで使うことの多い私はこちらを選択しました。
購入価格は約9,000円で、サイクルキャリアとしては非常に安価だったのも嬉しいですね。
CX-5へ取り付け・車載テスト
TERZO EC25Mは使用する前に組み立てる必要がありますが、説明書通りにやればものの10分もかからずに組み立ては終わりますので、ここでは割愛します。
また、取り付けと言っても特にやることはなく、カーペットタイプのラゲッジルームであればEC25Mに付属の面ファスナー(マジックテープ)をキャリアベースの裏面に貼って、カーペットに貼り付けるだけでOKです。
私のCX-5の場合、以前に取り付けたラゲッジルームマットが樹脂製なので、そのままだとマジックテープがくっつかないため、ここに一工夫しました。
使ったのはエーモンのロックファスナーセット。
マジックテープよりも強力な固定力をもつ3Mの製品で、キノコのような形をしたファスナー同士が互いにかみ合うことで、がっちりと固定できるタイプの面ファスナーです。これをラゲッジルームマットの固定位置に貼り付けて、キャリアベースの裏面にあらかじめ取り付けてあったロックファスナーで固定することにしました。
ただ、上の写真のように貼り付けると、位置的に前方側がマットの蛇腹状の部分に貼り付けることになってしまい、やや粘着力に不安が残ったため、後日ロックファスナーを買い足して、車両後方側に付け足しています。
こうすることでロックファスナーの高い固定力も合間って、ちょっとしたことではベースが全くずれなくなりました。
実際にEC25Mサイクルキャリアを使ってロードバイクを載せるとこんな感じになります。頼りなさそうに見えますが、ロックファスナーはかなり強力で、前後にGがかかってもずれません。
また、ロックファスナーの貼り付け前に、ちゃんと干渉なく積みこめるか・リアタイヤが座席にぶつからないか・リアハッチを閉めた時にブラケット部分などがリアガラスに当たらないか、しっかり確認しましょう。
私は若干手足が長いため、フレームもやや大きいものを使っています(トップチューブのホリゾンタル換算サイズ545mm)。ですので、干渉せず積みこめるかちょっと不安がありましたが、積み込み前にサドルを一番下まで下げることで、問題なく立てて積み込むことができました。
このことから、フレームの大きさはかなり大きいものでも問題なさそうですが、ほとんどのロードバイクは積み込み前にあらかじめサドルを下げておかないと、サドルが天井につっかえてしまいロードバイクが正立しません。ここだけがちょっと面倒ですね。
また、サドルの元の高さを忘れないように、サドルを下げる前にはわかるように印を付けておきましょう。
注意事項として、CX-5は荷室内高よりもリアの開口部がやや低くなっているので、(ロードバイクの大きさにもよりますが)フレームをやや斜めにしながら積み込む必要があります。2台積みの際などは積む順番などを考えた方がいいでしょうね。
手足が長い関係で、ドライビングポジションもかなり後退気味ですが、運転席を結構後ろに下げた状態でもロードバイクのリアタイヤはギリギリ干渉しない程度まで下げられます。
EC25Mにはエンド固定用のパーツとは別に、フロントホイールを固定するためのホイールホルダーが付属します。
フロントホイールを引っ掛けてクイックリリースを締め、フロントタイヤを車内に接地させることでしっかりとホイールを固定できるため、便利です。
CX-5のような横幅の広い車種なら、EC25Mをもう一台用意して、横並びに2台積みをすることのできる余地も十分にあります。
万が一ロードバイク同士でハンドルバーがぶつかる場合は、フォークスタンドの位置を左右にずらしたり回転することもできるので(工具不要、3角ノブで固定)調整も簡単です。
キャリアを車内から見るとこんな感じ。ホイールホルダー、フォークスタンド共に位置を自由に移動できるようになっています。ホイールホルダーは角度を自由に変更できるので、使用しない時は寝かせておくこともできますし、不要な場合はベースから取り外すこともできます。
別売りの固定用ベルトを通すための穴は左右のサイドカバーにありますので、そこを通すとさらに強固にキャリアを固定することも可能です。
サドルの上げ下げにヘックスレンチが必要になりますので、工具の忘れ物だけはしないようにしたいですね。
キャリアだけでなく、ロードバイクをさらにしっかりと固定するのであれば、荷室内フックを使用してラチェットベルトなどでフレームを上から抑えると完璧でしょう。
まとめ
以前のデミオでロードバイクを運んでいた時は、毎回リアホイールまで外していたので到着後の組み立てがちょっと面倒でした(ひっくり返して組み立てると毎回プーリーとギアの位置関係がわからなくなる笑)。
CX-5に取り付けたこの車室内キャリアであれば、積み込みも簡単ですし、ホイールの脱着もフロントだけで済むので、かなりロードバイクライフが捗りそうです。
何より、立てて運ぶことで、振動などによるロードバイク・ホイールへのダメージが少ないことが嬉しいですね。寝かせて運んでいた時は、ラチェットベルトなどを使用してしっかり固定していても、ちょっとした段差とかでガシャガシャ言ってましたから…
この記事が、CX-5でロードバイクを運ぼうと検討している方の参考になれば幸いです!