【DJデミオ】DIYでスピーカーをALPINE STE-G170Sに交換しました

スピーカー交換トップ

DJ系デミオは、他の上位車種(CX-5、アテンザ)にあるようなBOSEサウンドパッケージなどが設定されているわけではなく、グレードによってスピーカーの個数が異なりますが、基本的には全グレードで同じスピーカーが使用されています。

唯一ディーラーオプションで三菱・ダイヤトーンのコーアクシャルスピーカーが販売されているくらいで、特にオーディオに関してはかなりコストカットが為されているように思えます。

ただ私の場合、納車後しばらくは、そこまで音質が悪いとは感じなかったのも事実ではあります。安いは安いなりに、音響性能に関してはそれなりにがんばってチューニングされているようにも感じられました。

しかし最近になり、低音とツィーターから出る高音域が走行時に聞き取りにくく感じ始めたため、今回スピーカーを社外品に交換することにしました。

スピーカーの選定

私は貧乏耳であることは自覚しているため、せいぜい高くても2万円までと決めて交換用スピーカーを選ぶことに。

色々調べたところ、Amazonでベストセラー1位になっている「STE-G170S」というセパレート型17cmスピーカーがコストパフォーマンスに優れているということ、価格も10000円強ということで、余った分をバッフルボードやデッドニングキットに当てようという目論見です。

同じアルパインから出ている「DDL-R170S」というスピーカーも非常に評価が高く、ツィーターもなかなか良さそうなものが付いていてこちらは2万円強となっており、こちらでも良いかなと考えましたが、高い方を買って違いがわからなかったら悲しいので、今回は下位グレードのSTE-G170Sを購入し、もしそれで更に上を求めたくなったらG170Sをリアに移してR-170Sをフロントに入れようということにしました。

購入したもの

以上三点を購入。

インナーバッフルボードに関しては、ALPINEのサイトでは適合情報が無かったため、ネット上で多数取り付け事例があったCarrozzeria UD-K522を購入。3つあるグレードの内、一番下のランクのMDF(木材の合成繊維板)です。上位グレードには金属製のものもありましたが、今回は費用対効果の面でMDFを選択しました。

次にデッドニングについてですが、現行のDJデミオはサービスホールがドアモジュールパネルで塞がれたタイプです。ですから大仰なデッドニングを施しても大きな効果が見込めないと判断し、スピーカー周辺部に限定してデッドニング施工するために、エーモンの音楽計画の簡易モデルを購入。

こちらのセットはスピーカー裏に貼る防音材、スピーカー周辺やモジュールパネルに貼る制振材、スピーカーコーン部の周囲に貼る防音テープが、それぞれドア2枚分入っています。

また、エーモンからはドアモジュールパネル車専用のデッドニングキットも販売されていましたが、価格が10000円弱と高価で、施工にもかなり時間が掛かりそうだったため購入には至りませんでした。

この他にスピーカー用のギボシ端子なども購入していますが、取り付けの項で解説します。

他にあると便利な工具

・電工ペンチ

ギボシ端子のカシメや配線のストリップ(被覆剥き)、切断に使用します。ギボシ端子を使用する場合は必須です。

・内張り剥がし

ドアの内張りを剥がす際に使用。1セット持っておくと車いじりが捗ります。

・木工・樹脂用ドリル刃

純正ツィーター部を塞ぐキャップに穴あけ加工をするときに使用します。

スピーカー交換作業

 

ドアトリム取り外し

ドア内張り

まずはフロントドアの内張り(ドアトリム)を剥がします。内張りは既に自動ミラー格納キットを取り付けた時に何回か剥がしているため、手慣れたものです。

まず写真右上あたりのファスナー(プッシュリベット)を外します(ドアの赤い線の右上にある飛び出た部分)。

次にウインドウ・サイドミラーの操作パネルを外します。パネル下の隙間に内張り剥がしを突っ込み、横に滑らせて浮かせてから引っ張るとガポっと外れます。外れたパネルからは、ハーネスのコネクタが2本出ているので、こちらも外しておきます。

この時点でウインドウ操作パネルは外れるので、別の場所に置いておきましょう。

また、ウインドウ操作パネルのソケットを抜くと、運転席側ウィンドウのオート開閉が出来なくなります。作業終了後に運転席ウインドウのスイッチを開く側・閉じる側それぞれに長め(開ききった後・閉じきった後もしばらく)に押し・引き続けることで復旧するので忘れないようにしてください。

外れたパネルの下側、写真中央のアームレストの根元あたりにプラスネジが一本あるので外します。

ドアハンドル部カバー

ドアハンドルのカバーの下にもプラスネジがあります。その上には薄いプラスチックのカバーがはめ込まれており、こちらはドアハンドルを引きながら、左下の隙間にマイナスドライバーなんかを入れてこじると外れますが、傷がつきやすいです。

そこで私は写真のように、クリップの先端をプライヤーで曲げて、引っ掛けて外しています。

ネジ2本と、ファスナー1本を外したらいよいよドアトリムを剥がしていきます。ドアポケットの当りを掴んで引っ張るとドアトリムは外れます。初めての時はかなりクリップがとても硬いので苦戦しますが、最悪クリップが1個2個割れるくらいなのでビビらず強めに引っ張りましょう。

ドアトリムが外れたら、ドアハンドルの部分を反対側から押し出すようにすると外れるので、ひねって穴を通してドアトリムの内側に入れます。ドアハンドルからはワイヤーが出ていると思いますが、こちらはドアの開閉に使われるものですので、戻すときはワイヤーがきちんとハマっているか確認してください。外れているとドアが内側から開かなくなります。

 

ここまでの作業で、ドアトリムはフリーの状態になると思いますので、傷つかないように下にタオルでも敷いて別の場所に置いておきましょう。

純正スピーカーの取り外し

純正スピーカー

まず写真左上にある、ウーファースピーカーに刺さっているコネクタを抜きます。ツマミを押しながら引っ張るだけで外れます。

純正スピーカーはグロメットに三本の10mm径の6角ボルトで固定されているので、ソケットレンチなどの工具で外します。全部のボルトを外し手前に軽く引っ張ればスピーカーが外れます。

純正スピーカー取り外し後

ウーファースピーカーを取り外すと、ボルトが刺さっていた場所に黄色いグロメットがあるのでこれも取り除きます。内張り剥がしなどを隙間に差し込むか、反対側から押し出すと簡単に外れます。

デッドニング施工

スピーカー防音材

スピーカー裏、ドア内側の部分にエーモン デッドニングキットの防音材を貼り付けます。ドアの内側はおそらく雨水などで汚れていると思いますので脱脂スプレーなどで綺麗に拭きとってからの作業をおすすめします。

また、デミオはスピーカー裏にサイドインパクトビームがあるため、そのまま貼り付けずに、防音材を半分にカットし、インパクトビームを避けるようにして貼り付けます。

制振材

次に制振材を、ドアモジュールパネルとインナーパネルの干渉部に貼り付けていきます。

今回私は全体的に制振できるような貼り方にしましたが、スピーカー周辺を重点的に貼るのもよいと思います。

 

ウーファー交換作業

インナーバッフルボード

黄色いグロメットが付いていた箇所に、インナーバッフルボードを付属のボルトで固定していきます。この時、スピーカー配線を通す溝の向きに気をつけてください。

配線

純正スピーカーのコネクタは社外品には流用できない特殊な形状になっています。

解決策としては、コネクタを根元で切断し新たにギボシ端子をカシメる方法と、コネクタの中に110型平型端子(オス)を差し込む方法のどちらかになります。

もし将来的に元のコネクタを使う予定がある場合や、純正配線を切断したくない場合は後者を選びましょう。

差し込む側の配線はスピーカーに付属のコードを使用しましたので、ウーファーにつなぐほうの端子はそのままで、コネクタに差し込む側は元の端子を切断して110型平型端子(+ー両方オス)をカシメます。

配線は運転席側(LH)がL(青)が+LG(青緑)がー、助手席側(RH)は運転席側と真逆になります(ディーラーから頂いた配線図による)。

最後に、コネクタに差し込んだ端子はやや緩いので、外れないように絶縁テープなどで固定します。

スピーカー取り付け

最後にウーファーに配線した後、ネジで固定していきます。ワッシャを忘れないように気をつけてください(私は運転席側にワッシャを付け忘れた上に一本ネジのサイズを間違えたので再度ドアトリムを剥がしました…)。

ウーファーにはネットワーク配線用の電極も付いていますが、今回は純正ツィーター配線を流用するため、使いませんでした。

この状態でエンジンを掛け、ウーファーから問題なく音が鳴っていることを確認します。

スピーカー周辺防音テープ

最後にコーン部に粘着部分が当たらないよう注意しながら防音テープをウーファーエッジ部に貼り付けていき、ドアトリムを取り付けます。

ツィーター交換作業

純正ツィーターカバー

次にツィーターの交換です。

ネットで調べてみると、ツィーター配線をウーファーから取ってドアとボディを繋ぐ配線を通して引き込んで…とやってる方も居たのですが、ディーラーでオーディオ配線図を貰ったところ、ツィーターはフロントスピーカー(ウーファー)からの分岐だけで、特に途中にハイパスフィルター(HPF)が挟んであるというわけでは無かったので、純正配線にネットワークを接続してツィーターを取り付けました。

まずツィーターを外すために、手前に傷防止の養生テープは貼り付けてからマイナスドライバーなどを隙間に差し込んでこじります。

ツィーター取り外し後

外れた純正ツィーターです。更にコネクタを取り外しておきましょう。

なお、飛び出している端子のメス側の裏に小さなコンデンサがあり、これがハイパスフィルターの役割を果たしているようです。

ツィーター配線

純正ツィーターコネクタは切断し、残った線に110型平型端子をカシメていきます。

純正のコードがとても短く、なおかつフロントウィンドウが近いため、コードの被覆剥きやカシメが非常にやりにくいです。細線用の小型電工ペンチがあればかなり楽だと思いますが、普通の電工ペンチでも地道にやればなんとかなります。

ツィーター蓋

純正ツィーターを取り外すとぽっかり穴が開いてしまうので、そこを塞ぐための4スピーカー車用(ツィーターレス車用)のツィーター部キャップをディーラーで取り寄せました。

部品名「COVER H」部品番号「D09W-66-962A 02」1個350円+税です。なぜかモノタロウでも販売しています。

ツィーター蓋穴あけ加工

さらに蓋に配線を通すための穴をドリルで開けます。径6〜6.5mmくらいで十分です。

穴を開ける場所はツィーターの向きなどでお好みで構いませんが、蓋は左右でハマる爪の向きが異なるため、しっかり確認してから穴を開けてください。

ツィーター接続

運転席側用はこんな感じになります。この位置だと、ツィーターがキャップの真ん中に配置でき、穴も隠れ、ギリギリウィンドウにも干渉しません。

ネットワーク・ツィーター接続

先にキャップにツィーター配線を通してからネットワークと接続したあと、加工した純正配線に接続し、エンジンを掛けてちゃんと音が出ているかを確認します。問題なく音が出ていれば、ネットワークの収納・キャップの装着に移ります。

ネットワークはツィーターのあった穴の中にギリギリですが入ります。運転席側はアクセルペダルあたりに落ちてくるので、少し上方で両面テープやタイラップを使って固定しましょう。

助手席側はグローブボックスを外した裏面の左側当りに出てきます。こちらも両面テープなどで固定します。

ツィーター設置

キャップは嵌めてから押し込むとパチっと入ります。

最後に、ツィーターの向きや位置を調整してから、付属の両面テープでツィーターを貼り付けて完成です。

 

感想

作業時間はウーファー交換・デッドニングは左右で1時間半、暗くなってしまったので作業は翌日に持ち越し、ツィーター交換は左右で1時間ほど。

作業自体はさして難しいものではないのですが、ツィーターのギボシ加工や運転席側ネットワークの固定など、作業性が悪い場所が多いせいで意外と時間がかかってしまいました。

しかしスピーカーを交換したことによる効果は抜群で、今まで聞いていた純正スピーカーの音が、いかに篭っていたのかを思い知らされました。

特に高音域が純正に比べて素晴らしく、透明感の高い聴き心地の良いサウンドです。

これを取り付けた後、2時間ほど夜のドライブへ行ってきましたがまあ楽しいこと楽しいこと... スピーカー交換だけでここまで変わるものなのですね。

 

さて、ツィーター別体かつ10000円程度のスピーカーでここまで違いが実感できるので、本機のコストパフォーマンスは非常に高いと思います。(オーディオパッケージなどではない)純正からの交換で、ピュアオーディオに拘るような方でなければ、この機種がファーストチョイスとしてはベストなのではないでしょうか。

カーオーディオは上を見るときりがないとはよく言ったもので、冒頭で断念したDDL-R170Sを既に検討し始めている自分が居ます。オーディオ沼にはハマらないつもりでしたが、カーオーディオは危険ですね...

→後日、DDL-R170Sの新型X-170Sを取り付けました。取り付け記事はこちら