冬は家にこもりがちな私ですが、その分車で遠乗りすることもあまり無くなるので必然的にクルマいじりが捗ります。というわけで今回もDJデミオのカスタマイズをしました。
社外メーターといわれて多くの人の頭のなかに真っ先に浮かぶのは「Defi(日本精機)」だと思いますが、国内のちょっとマイナーなメーター製造メーカー「PIVOT(ピボット)」から、SKYACTIV-D専用のOBD-II接続ブースト計が販売されています。
以前からかなり欲しいパーツではあったのですが、なんせ「過給圧を知る」ためだけにポンと出せるような価格でも無かったため躊躇していたこともあり、なかなか食指が動かなかったのです。ただ最近になってようやく価格も下がってきたため、冬のボーナスで自分へのご褒美(笑)ということにして購入し、DIYで取り付けてみました。
マツダ車のブースト計
SKYACTIV-D(ディーゼル)エンジンは、デミオやCX-3の1.5L、アテンザやCX-5の2.2Lともに、全車種ターボが搭載されていますが、その過給圧を表示する機能はありません。
以前のマツダスピードアクセラなどには、純正の過給圧表示がメーターコンソール内にあったのですが、まあ普通に運転する上では必要ではない情報ですから、オミットされてしまったのも仕方のないことかもしれません。
ブースト計を取り付けることの意味については、今回はOBD-II接続ということもあり、エンジンのコンディションを知るという目的よりも、自己満足の側面が大きいです。
というのも、機械式・電子式に比べて反応が遅いこと・異常の事前察知という面ではOBD-II経由なので、そもそも何かあれば車両コンソール側で分かってしまうため、エンジンからのリニアな情報という面では、他の2方式に劣っている点が多いのです。
とは言っても、基本のブースト圧を知る分にはOBD-IIでも全く困らないですし、OBD-II接続ゆえのメリットとして、メーター内に水温・電圧・油温を表示することもできます。
特にDJデミオの純正メーターでは、上記3個については警告灯のみで詳細な数値までは分からないため、一緒に表示できるのであれば、それに越したことはありませんよね。
ブースト計購入
今回はカー用品ELSで購入。発売された当時は3万円近くしましたが、最近は2万円強で購入できます。だいぶ価格がこなれてきました。
ただAUTOBACSなどのカー用品店ではいまだに定価で売っているケースが多いので、取り付けを頼むのでもなければネット通販のほうがお得でしょう。
ついでにエアコン吹き出し口へ装着するためのインサートホルダーIH-60も購入したのですが、こちらは不要でした(後述)。
開封の儀
到着したブースト計 DPB-M。メーターの大きさの割に箱が縦長です。
私が購入したものにはみんカラのパーツ・オブ・ザ・イヤー2016年上半期・メーター ブースト計部門第1位というシールが貼ってありました。
社外メーターは基本的に取り付け難易度が高いものが多いので、OBD-II接続でDIYでも簡単にできるこのDPB-Mは人気が高いのでしょう。
取り出したメーター部分と、それを保持するための専用ホルダー(同梱)。
メーター自体はかなり軽量です。
また、専用ホルダーは今回使用しません。
同梱の付属品を並べてみました。
説明書、保証書、ハーネス類、ユニット、取り付け用のネジ、タイラップなどなど。
同時に購入したIH-60 インサートホルダーです。2500円もしますが使いませんでした(泣)
インサートホルダーの内容物。直径60mmのルーバーに対応します。また、ガタツキを無くすためのスポンジテープも付属しています。
取り付け
メーカーのホームページには、こんな感じで取り付けられますよーとホルダーでメーター右側にクリップで取り付けた写真が乗っているのですが、今回は更にインテリアとの調和を目指して、エアコン吹き出し口に取り付けてみようと思います。
エアコン吹き出し口は運転席の右側か左側のどちらに取り付けるかかなり迷いましたが、マツダコネクトディスプレイを見るときの視線移動などを考えて左側にしました。
まずは元々付いているエアコンルーバーを外していきます。
吹き出し口周囲に付いている、黒いリング状のパーツ(ピアノブラック塗装のやつ)から取り外しますが、こちらはあとでまた使うので、傷などがつかないようにマスキングテープなどで養生してから、内張り剥がしなどでこじって外していきます。
リングが外れました。ここからさらにルーバーの中の風量を調節する部分、外側の固定用パーツ、ルーバー本体と取り外していくのですが…正直言ってかなり面倒です。
というのも、固定するツメが知恵の輪のようになっており、あっちを外すとこっちが嵌ってしまい…というふうに、簡単に外せないようになっています。
私は自力で1時間位かかってようやく外せましたが、不安な方はディーラーに持ち込んでやってもらったほうがいいかもしれません。
全てのパーツを外すとこんな感じになります。だいぶ気をつけて作業を行いましたが、それでも吹き出し口の内側部分にささくれをつけてしまいました。
まあこの部分はメーターをつければ見えなくなるので、そこまで気にしなくても良いのですが…
先ほど外したエアコンルーバーの構成パーツです。このうち使うのは、下の3個だけです。
また、インサートホルダー IH-60を使うと、どうしても上手く取り付けできないので、DJデミオなどマツダ車の場合は購入不要だと思います。
さらにこの後、右下のパーツのルーバー本体の風量を調節する羽(ツマミをねじったら開いたり閉じたりする部分)をニッパーなどで切り取ってしまい、周囲の円形の部分だけを残します。
これを行わないと、真ん中の部分がメーターと干渉してしまい取り付けられないので、心苦しいかもしれませんがパッチンします。
いずれ車両の売却などでメーターを取り外す場合、ディーラーに頼めばここのパーツだけ取り寄せてもらえると思いますので、まあ大丈夫でしょう。
関係ないですが、上のようなCX-3に付いているカラーのルーバーリングに交換しようか悩んでます。カッコいいんですよね、このソウルレッド…
メーターを取り付ける前に、エアコンの穴のなかにユニットに接続するハーネスを通しておきます。特にワイヤーなどの特殊な工具を使わなくても、エアコン側から差し込めば、運転席のステアリング下の部分から取り出せると思います。
最終的な取り付け・固定の前に、まずハーネスを接続して動作確認を行ったほうが良いでしょう。
動作確認後、先ほど破壊したルーバー本体にメーターを差し込みます。多少ガタつくと思うので、付属のテープをメーター周囲に貼り付けて、隙間を埋めておきます。
あとは外した順番で部品を取り付けていくだけです。
最終的にこのように取り付けます。
まるで図ったかのようにエアコンルーバーがあった場所にピッタリとハマりますのでm完成したときは嬉しかったです。
ただし、ここに取り付けると当たり前ですがこの吹き出し口からはエアコンの風はほとんど出なくなりますので注意して下さい(ここから出ない分、他の場所に風量が回されます)。
最後に、ユニットを好みの位置の取り付けます。私は運転席右下足元にある、OBD-M取り出しコネクタが付いているボックスに、3Mの超強力両面テープで貼り付けました。
先ほどエアコンの中を通したハーネスをユニットに接続し、ユニットからOBD-IIケーブルを車両コネクタ側に接続します。不具合の原因となりますから、必ずエンジンを切った状態で作業して下さい。
内装とのマッチング・動作動画
夜はこのようにイルミネーションが点灯します(というか、照度センサーがないため昼間でもイルミネーションは点灯しているのですがあまり目立ちません)。
カラーはホワイト・ブルーの2色、明るさは3段階で任意に変更可能です。
また、メーター下部にあるセグメントディスプレイにはクーラントの水温計、バッテリー電圧計、油温計の3つのうちどれかを任意に表示できます。
切り替えはBOOSTという表示の右にあるスイッチを押すことで行え、またこちらを長押しすることで過給圧のピークホールド(走行中の最大過給圧表示)、イルミネーションの明るさの変更を行うことが可能になっています。
ホワイト/ブルーのカラー変更はエンジン始動時に押しっぱなしにしておくことでできるようです(ホワイトが好みなのでやってないですが)。
動作時のイメージとして動画を取ってみました。
イグニッションON→メーターのオープニングセレモニー(メーター針の動作チェックのようなもの、スイープ、ウェルカムエモーションなど色々な呼び方があるようです)→走行となっています。
ただこの時は外気温が-8度くらいあったために、路面が完全に凍結しており(いわゆるブラックアイスバーン)、ちょっとふかすとすぐにDSC(横滑り防止装置)が点灯しスピンしそうになるレベルの悪条件だったため、エンジン回転数はひかえめにしています。
雪が溶けたらしっかりと回したものに差し替える予定です。
総評
付属のホルダーを使用すれば、30分もかからずに取り付けできたはずであろうブースト計ですが、私の自己満足のためにかなり難儀な作業の上、取り付けしました。
ただその出来栄えは満足感が高く、毎日ブースト計を見てはニヤニヤしてしまいます。エアコンルーバーの破壊という非可逆的な作業を伴いますが、ポン付けよりもずっとインテリアとマッチし、まるでもともとそこにあったかのような印象になるため、取り付けを検討している方には是非オススメしたい方法だと思います(作業に自身のない方はディーラーに頼んでみて下さい)。
特に、夜間は車両のタコメーター類と色味が同じに見えるため、より魅力的に感じるでしょう。
次にブースト計の動作について。
OBD-II接続は他形式に比べやや反応が鈍いといわれていますが、サーキットにでも行かない限りは気にならないと思います(気になる方はYoutubeにOBD-II取り出しのPivotと、電子式のDefiを両方付けた比較動画がありますので見てみては)。
また、私はこれを取り付けるまでデミオの最大過給圧を知らなかったのですが、なんと最大で1.7〜1.8kPaもかかっており、驚きました。なお、吸排気系はマフラーとエアクリーナーを変えているだけです。
まあ、2000rpmを超えたときのシートに押し付けられるような強烈な加速感を考えれば、当たり前なのかもしれませんが…
ただし、オープニングセレモニーのかっこよさはDefiに遠く及ばないですね。メーターがブラックアウトして、高速でスイープするDefiのメーターは流石にカッコいいです。
しかしDefiは現状ディーゼル車向けの適合はないので、SKYACTIV-Dの場合はこの製品だけになってしまいますね。
2万円強と決してお安いお値段ではないうえ、これを取り付けたからといって性能が向上するわけでもないですが、自己満足感を満たすためのパーツとしてはかなりハイレベルな商品だと思いました。