DJ系デミオは、廉価グレードのガソリン車・13Cと13S、ディーゼル車のXD、そしてレース用ベース車の15MBを除いて、ハンドルは本革巻ステアリングが純正で付いています。
納車当初は特に不満は無かったのですが、時間が立つにつれて、滑りやすいことや、長距離や夏場だと蒸れることなど気に入らない点が出てきました。
そこでステアリングを社外品に交換しようと思い立ったのですが、他にも色々いじりたい場所が多く後回しになってしまい(一番長く触れるものなので早く取り替えるべきだったのですが…)、ようやく今月購入することにしました。
デミオ用の社外ステアリングは現在、マツダ車チューナーであるAutoExe(オートエクゼ)と、アフターパーツメーカーのKENSTYLE(ケンスタイル)から出ています。
形状の好みからKENSTYLEのレッドステッチ/オールブラックレザーを購入する予定でいたのですが、ちょうど購入の直前に、素材やカラーリングの異なるモデルとして3種類の新製品が追加されており、その中でもセンターマークが付いたナッパレザーモデルであるTYPE4がドンピシャで好みのルックスだったので、そちらを購入することにしました。
購入
今回はネットで最安だったアールエスさんにて購入しました。こちらの店舗は以前柿本改のマフラーを購入したときにも使用しており、他店より価格が安い上に、楽天スーパーポイントも5倍〜10倍付く商品が多いので、よく利用させてもらっています。
在庫を持たないドロップシッピング形式*1を採っているため、メーカーにも在庫がない場合は製造待ちとなる場合もあるのですが、今回はすぐにKENSTYLEから直送され、注文から3日で到着しました。
開封。エアパッキンで隙間を充填し、ステアリング各部に緩衝材を巻きつけてあり、とてもしっかりと梱包が施されていました。
トップの赤いセンターマークは、ステアリングの回転位置の目印として付けられており、WRCカーのハンドルにも採用されています。またこれによってスポーツドライビングの気分を高め、ワンポイントのアクセントにもなっています。
AutoExeのステアリングにも、ND系ロードスター用にのみ、このセンターマークが付いているのですが、デミオとステアリングが共通の車種(BMアクセラ、CX-3、CX-5)でこの設定があるのはKENSTYLEだけです。またこのほかにも、左右グリップ部以外の部分にレザーを巻かずにカーボンを使用したモデルや、ピアノブラック塗装を施したウッド&レザーのコンビタイプもあり、選択肢が幅広くなっています。
元々のステアリングに付いているスイッチ類・エアバッグなどは、全て取り外して移設します。
なお、AutoExe、KENSTYLEはどちらもDシェイプ(ステアリング底面が平らになっている)なのですが、他の部分、たとえば左右グリップの部分の形状なども両社かなり似ています。
ただ、どちらにもグリップ部がスエード調の設定があるのですが、AutoExeは「スエード調」としか書いていないのに対して、KENSTYLEははっきりとアルカンターラ(ウルトラスエード)*2と記載しているため、スエード調素材の手触りにこだわりのある方は、KENSTYLEのアルカンターラモデルを選んだほうがいいかもしれません。
交換作業
作業に必要な工具
・ソケットレンチ・十字レンチ(バッテリー端子、ステアリングボルトを外すときに使用)
・ステアリングに付属する特殊工具(なければトルクスレンチまたは六角レンチ)
・ラジオペンチ・内張り剥がしなど(スイッチ類の移設時に使用)
バッテリー端子の取り外し
まず、一度エンジンを掛けてすぐに切り、運転席側のドアは開けっ放しにしておき、ステアリングロックが解除された状態にしておきます。
その後、ボンネットを開け、ソケットレンチなどでバッテリーからマイナス端子を外します。
この作業を怠ると、エアバッグが暴発したり、作動しなくなったりする可能性があるため、絶対に忘れないようにしてください。
また、バッテリーを外した後も残った電力で作動する場合があるため、2、3分以上経ってから作業を始めるようにしてください。
エアバッグユニットの取り外し
ステアリングを180度回転させた状態で、フロントガラスの外側から見たのが上の写真です。
赤い矢印の場所に、アクセスホールが開いているので、そこに専用工具(または5mm程度のレンチ)を突っ込んで押し込むと、3つあるエアバッグの固定金具のうち、下側のひとつが外れます。
同様に、ステアリングを90度回転させると赤い矢印の部分に、鍵穴のような形をしたアクセスホールがありますので、そこにも専用工具を突っ込みます。こちらはステアリング外側から45度くらいの角度を付けて挿入し、一番奥で少しこじるようにすると上手く外れます。
ステアリングの反対側(写真では運転席の足元側)にも同じものが有りますので、同じ手順でロックを外します。
これでエアバッグユニットのロックが外れました。
裏面にはまだケーブル類が付いているので、そちらも外していきます。
エアバッグ裏、中央に付いている黄色の端子は左右のピンで留まっている(赤い矢印)ため、マイナスドライバーなどで押し込みながら手前に引っ張ると外れます。
赤丸の端子はかぶせてあるだけなので、写真の向きで下側に引っ張るだけで外れます。
これでエアバッグユニットの取り外しが完了しました。
純正ステアリングの取り外し
次にステアリング本体を外していきます。
赤丸の部分に、ステアリングスイッチの信号を車体に送るハーネスのコネクタがありますので外します。ツマミを押しながら引っ張ると抜けます。
いよいよステアリングを固定しているセンターボルトを外します。
ボルト径は21mmなので、タイヤ交換などで使うトルクレンチや十字レンチを使ったほうが楽かもしれません。
左に回そうとするとステアリングも一緒に回ってしまうので、片手でハンドルを握るなどして固定しながら、しっかりと外していきます。
ステアリングが外れた状態です。先程外した白い端子はステアリングと一緒に外れますが、エアバッグユニットに接続してあった黄色い端子は残ります。
また、この時、写真の黄色い端子が付いている黒い輪はくるくるとフリーで回ります。ステアリングの取り付けてあった角度が変わらないように、写真などを撮るなどして記憶しておきましょう。
スイッチ類・カバーなどの移設
右が先ほど取り外した純正本革巻ステアリング、左がKENSTYLEのナッパレザーTYPE 4です。移設するのは①裏面のカバー(エアバッグを外すときに工具を突っ込んだ穴のある樹脂パーツ)、②左右のハンドルスイッチ類(左右はハーネスでつながっています)、③下部のメタリック塗装のパーツの3個。
取り外す順番は①→②→③の順番ですが、取り付けるときは①→③→②の順番で行います。先に②のスイッチ類を付けてしまうと銀色のパーツが付かないので注意してください。
また、①②③すべてのパーツにいえることですが、ステアリングへの固定にはネジやボルトなどが一切使用されておらず、上の写真のように突起の付いた樹脂パーツが刺さってたり、噛ませてあったりします。場所によっては非常に折れやすいものもあるので気をつけてゆっくり作業してください。焦らずに表裏を見比べて、パーツの刺さっているところ・固定されている場所を確認しながらグッと押し込み、少しずつ浮かせていくと作業しやすいと思います。
ちなみに私は一箇所パーツを割りました(下の写真の白く接着剤跡が見えるところ)。
全てのパーツを移設したところです。KENSTYLEのステアリングが一気に締まって見えますね!
このパーツ移設作業がステアリング交換の一番の難所だと思います。慣れていないとかなり時間がかかりますので、時間に余裕を持って作業してください。
社外ステアリングの取り付け
いよいよステアリングの取り付けに入ります。
といっても、スイッチ類も既に移設したため、後は最初にやった作業の逆手順なだけですからすぐに終わりますね。
まず、ステアリングを嵌めます。最初に純正品を外したときの角度に取り付けることをを忘れないようにしてください。
センターボルトで固定します。締めるときもステアリングは同じ方向に回るので、しっかりと握って作業しましょう。
ボルトを取り付けたら、白いコネクタを挿します。同様にエアバッグユニット裏面にも端子類を取り付けていきます。
最後にエアバッグを取り付けます。方向を合わせてカチッと音がなるまで押し込むだけでOKです。
これでステアリング交換は完了です。バッテリー端子を戻し、エンジンを掛けてエアバッグ警告灯が消灯するかを確認します(デミオはエンジンを掛けた後6秒点灯し、問題なければ消灯します)。
また、ステアリングの正位置と、前タイヤの切れ角が正常かもしっかりと確認しましょう。
レビュー
ビフォー・アフターで比較してみました。
インテリアのレッドステッチとステアリングのレッドステッチがマッチしており、更にDシェイプとパンチングレザーにより、一層スポーティな雰囲気になったと思います。またやはりトップ部のセンターマークが目を引きますね。
純正の本革巻ステアリングも悪くはなかったのですが、こうしてみると交換後のほうが絶対かっこいいと思います。
肝心の握り心地ですが、パンチングレザーがしっかりと手に食いつくことで滑ることもなくなり、また他の部分はナッパレザーなので、光沢が抑えられており、しっとりもちもちとした、高級な革手袋のような上質さ・手触りを感じることが出来ました。
私はステアリングを切って戻すときなどは手を添えながら復元力に任せてすべらせるのですが、以前の純正本革巻ステアリングにくらべて手への食いつきがよくなりなめらかなハンドリングができるようになったと感じます。
形状も以前より人間工学的になったことで、握るポジションがはっきりとし、長時間のドライブでも疲れにくくなりました。また、私はハンドル下部の両側(時計で言うと5時・7時)を持って運転することが多いのですが、やや膨らみが出来たことでそちらも握りやすくなったと思います。
全体的に見て、デザイン・素材・形状ともに非常に満足感が高く、こんなに素晴らしいならなぜもっと早く交換しなかったのだろうというレベルの商品です。
長時間ドライブすることが多い方や、内装で他人とちょっと差をつけたカスタマイズがしたい方などには絶対にオススメしたいカスタムです。