ポケモンGOが出たあたりから急速に普及し始めたモバイルバッテリーですが、最近ではただ充電するだけではなく様々な機能を付加したものも増えてきました。
例えば車のジャンプスターターとしても使えるものや、ランタンがついているものなど、色々なものが発売されています。
今回はそのような機能付きモバイルバッテリーの中でも、様々な情報機器を使う人に向いているMicroSDカードリーダー付きのモバイルバッテリー「REMAX RePOWER(利パワー) POWER BANK 10000mAhモバイルバッテリー」を使ってみましたので、レビューをしていきます。
購入
amazon・楽天市場などの、オンラインショップでの購入が可能です。
また、ドン・キホーテ各店などでも取扱があるようなのでそちらで実物を見てから買うのも良いと思います。
価格は4980円と、モバイルバッテリーの中では高価な部類になりますが、USB接続のSDカードリーダーが市価で1000円前後ということを考えると、妥当な金額かもしれません。
開封・外観レビュー
外箱はこんな感じ。海外の製品ですが、しっかりと日本語訳されており、高級感のあるパッケージになっています。
裏面には仕様などをまとめた表記。2.1A出力があるのは嬉しいですが、残念ながら急速充電技術には対応していないようです(後述)。
外箱をスライドさせるとモバイルバッテリー本体が出てきます。
しっかりとプラスチックバッグで梱包されていて、好感が持てますね。
モバイルバッテリーの下には取扱説明書と、USB-MicroUSBケーブルが入っています。
ケーブル長は約15cmで、これ一本で本体への充電・機器への出力の両方を行うことが出来ます(ただし、iPhoneやUSB-C機器は対応した端子のケーブルが必要)。
今までいろいろなモバイルバッテリーを使ってきましたが、その中でもかなりデザイン性が高いと思います。特に側面のアルミ素材の部分、ブロンズカラーがいいアクセントになっておりクールです。
モバイルバッテリーはその性質上、机の上に置いたりして使うことが多いですから、こういった良いデザインの製品だと嬉しいですね。
反対の側面には電源ボタンが付いています。
ケーブルをモバイルバッテリーから機器に接続すれば自動で充電が開始されるのですが、こちらのボタンを数秒長押しすることで、機器への出力が止まります。
電源ボタン以外の機能はモバイルバッテリー上部に集約されています。
出力用USBポートは2つあり、左右どちらも2.1A出力に対応していますが、左にある青い端子が見えているほうは、MicroSDカードとスマートフォンなどとの、データ通信用にも使用できるようになっています。
中央にある小さな端子が充電用のMicroUSBポートで、充電中は上の写真のように、LEDインジケータが赤色に点滅します。
MicroUSBポートの下にあるのがMicroSDカードスロットで、128GBまでのSDXCカードに対応します。転送速度はRead:12MB/s、Write:8MB/sと決して高速ではありませんが、SDスピードクラス Class 6レベルは担保されているようです。
なお、microSDカードは予めFAT32形式でフォーマットされている必要がありますので注意してください。exFATなどでフォーマットされたカードは読み取れませんでしたし、アプリ上でフォーマットし直すことも出来ません。
本体重量を図ってみました。
箱には265gと書いてあるのですが、計測したところ約211gと、公称より50g以上も軽かったです。
まあ軽いに越したことはないのですが…この誤差はちょっと?です。
Androidスマートフォンを充電
青くない方の端子を使用することで、普通にモバイルバッテリーとして充電することが出来ます。
バッテリー容量は10000mAhと大容量なので、最近の3000mAhを超える電池を積んだスマートフォンでも3回以上は余裕で満充電可能ということになります。
充電中は、LEDインジケータが緑色に点滅し、バッテリー残量が少なくなってくると赤色LEDに変わります。残量に応じて緑色の部分が減っていくとかではないため、ちょっと残量が大雑把で分かりにくいのですが、こちらは専用アプリで解決できるようになっています(後述)。
また、写真に写っているスマートフォン、ZTEのAxon7は、Qualcommの急速充電技術QuickCharge 3.0に対応しているのですが、残念ながらこちらのモバイルバッテリーでは急速充電になりませんでした(急速充電対応の機器の時は「急速充電中」と表示される)。2.1A出力が出来ているだけに、残念な点です。
Androidスマートフォンと接続
青色の端子を使って、MicroSDカードのデータをアプリでやり取りする・バッテリー管理アプリを使う場合は本体のLEDが青色に点灯します。ここは状態が分かりやすくて好きな点です。
これらの機能を使うためには、専用のアプリをインストールする必要があります。
以下でインストール方法・使用方法を解説していきます。
アプリのダウンロード
説明書にはiPhoneのiOS用の説明は写真付きで懇切丁寧に記載されているのですが、Androidについてはほとんど触れられていないので以下で解説していきます。
アプリは、外箱などにはGoogle Play Storeからも「REMAX RePOWER」で検索することでダウンロード可能という風に書かれているのですが、何故か日本のGoogle Play Storeには存在しないので、QRコードから移動した先のサイトからapkファイルをダウンロードしてインストールする必要があります。
QRコードを読み取ると中国のサイトにぶっ飛ばされてちょっと不安になるのですが、下のDownload Nowを押すとapkファイルのダウンロードが開始されます。
Play Store非公認にアプリなので警告ダイアログが出ますが、OKを押して続行します。
アプリのインストール
インストールを行うには、設定から「提供元不明のアプリのインストールを許可する」にしておく必要があります。端末のセキュリティに関わる部分ですから、インストール後はOFFに戻しておくほうがいいと思います。
無事にインストールが完了するとこのようなスプラッシュ画面でアプリが起動します。
で、アプリが起動した後このような画面になりもう一つサービスアプリをインストールする必要があると催促してくるので、ダウンロードしてインストールします。
ファイル容量は約4MB。なのですが私がダウンロードしたときはめちゃくちゃ重たくて5分位かかりました。
サービスアプリ名は「My iPowerBank Service」。もし不要になってアンインストールする場合、端末のドロワーなどには表示されませんので、設定のアプリ一覧画面から削除して下さい。
ここまで完了するとこのような画面が表示されるので、microSDカードをモバイルバッテリーに挿入し、青い端子にケーブルを繋いでスマートフォンと接続します。
RePOWERアプリの使い方
接続すると、どのような方法で接続するのかを尋ねるダイアログが出てくると思いますので、メディアデバイスMTPを選択します。
すると、バッテリーの残容量やファイラーなどがまとまったアプリが使用できるようになります。
バッテリー残量は1%単位で確認できるので、LEDインジケータで確認するよりもずっと便利に管理できますね。
「ファイルマネージャ」では、接続したmicroSDカードの中をファイラー形式で閲覧・編集できます。
ドライブレコーダーの映像などを、スマートフォンに移動することなく再生することも可能なので、出先でパソコンが無く、いちいちスマートフォンに入れているmicroSDカードを取り出してドライブレコーダーのmicroSDカードを入れて…という手間が面倒なときなどはとても便利ですね。
また、スマートフォン本体やスマートフォンのSDカードへの映像のバックアップももちろん可能ですので、どんどん上書きされていくドライブレコーダーのSDカードからのエスケープ用途としても活躍できそうです。
「スマートフォンバッテリーエキスパート」では、スマートフォン側のバッテリー管理をわかりやすく行うことが出来るようになっています。
英語のアプリを無理やり日本語にしているような翻訳なので分かりにくい表現もありますが、なんとなくフィーリングでわかりますかね…?
「現実」がバッテリー総容量、「残留バッテリーパワー」がバッテリー残量、「パワー持続の実際の能力」がスマートフォンの残り使用可能時間なのでしょうけど、「メンテナンスの時」「バッテリーステータス」は良く分かりません…(笑)
下にある「チャージ/メンテナンス」のタブでは、バッテリーの充電状態を閲覧できます。
モバイルバッテリーとスマートフォン、それぞれの残量が比較的に分かるので便利です。
「バックアップ」では、電話帳とSMSのバックアップが可能なようです。
私はスマートフォンのバックアップに別のアプリを既に使っているので使用していませんが、万が一のためにSDカードに電話帳データを保存しておくのも良いかもしれません。
SDカードの取扱いについて
上のスクリーンショットはRePOWERにmicroSDカードを挿した状態で、ESファイルエクスプローラーというファイラーで端末の接続状況を確認したものになります。
「0」というのが端末のストレージ、「E84B-C51F」というのが端末のmicroSDカードトレイに入っている外部ストレージなのですが、ご覧いただいてわかるように、RePOWERに接続しているものが表示されません。
おそらく独自の接続方式を使っており、他のアプリからは外部ストレージ扱いされていないのが原因と思われますが、RePOWERモバイルバッテリーで使っているmicroSDカードは専用の「REMAX RePOWER」アプリ以外では認識できないという点は留意しておいたほうがいいと思います。
まとめ
良い点
microSDカードをSDカードやUSBでパソコンに接続する、というのは昔からありましたが、モバイルバッテリーと融合させてスマートフォンに直接接続できる、というのは珍しく、実際使ってみるとかなり便利に感じました。
特に、先にも述べたドライブレコーダーの映像の確認(ドライブレコーダー本体でも確認できる機種は多いですが、大抵操作性が悪く解像度も低く表示されてしまいます)などにはかなり便利です。
Wi-Fi経由で接続できるタイプはありましたが、接続が不安定だったり速度の制限があり動画ファイルなどには向いていませんでしたが、こちらの製品は有線接続なのでまず切断の恐れもありませんし、動画ファイルを見る場合でも速度不足を感じることはありませんでした。
なによりバッテリーへの充電も並行で行えるので、バッテリーの心配をしなくてすむのが素晴らしいですね。
悪い点
アプリのダウンロード・インストールについて、iPhoneはかなり簡単に済むようですが、Androidの場合だと色々と許可の設定やら煩雑な項目が多いのが気になりました。
海外のサイトからapkファイルをダウンロードしインストールするため、セキュリティ的にもやや疑問が残ります。
日本のGoogle Play Storeでも、iPhoneのApp Storeのように専用のアプリがダウンロードできるようになると、スマートフォンの操作に不安がある人でも使いやすいのではないでしょうか。
また、アプリの日本語訳が機械翻訳そのままなのも気になった点の一つです。
設定で英語に変更することもできないので、日本人に分かりやすくしようとして、逆に分かりにくくなってしまっている点は改善してほしいですね。なんなら英語のままのほうがいい気がします。
総評
ユーザーインターフェースの点でやや問題があると感じましたが、それ以外では今まであるようでなかった画期的な商品で、スマートフォン・タブレットなどで大いに活躍する機会があると感じました。
本体のデザインも良いのも個人的にかなりポイントが高く、今までカバンの中に入っていたモバイルバッテリーとカードリーダーが一つで済むのはとてもありがたいです。
私の場合はカバンに入れておいて、基本はモバイルバッテリーとして使用し、出先の車内でスマートフォン上でドライブレコーダーの映像を高精細に再生・バックアップする用途として使用していきたいと思います。