これはフィットネス革命だ!机付きエアロバイク・FlexiSpot V9 デスクバイクをレビュー

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私の趣味のひとつに、ロードバイク(自転車)があります。

しかし、北海道に住んでいると避けられないのが降雪で、例年11月末から翌年4月頃までは、北海道の道路は例外なく雪と氷に閉ざされ、タイヤの細いロードバイクでは、外を走ることは叶わなくなります(ファットバイクとかMTBで雪道や雪山を楽しんでいる人はいますが)。

そんな状況ですから、この時期は本州のライダー達が、ツイッターやブログで冬ライドを楽しんでいる様を、指を咥えて見ているしかありません。

こうなると、自宅でローラー台を使って慎ましくトレーニングするくらいしかやることがないんですが、ローラー台って音がうるさいし、何より退屈なんですよね。Zwiftみたいな仮想ライドを利用できるダイレクトドライブ式ローラー台は、ロードバイクが1台買い足せるほど高いですし、そもそもそこまで(月額料金を払ってまで)ガチでやりたい訳でもありません。

何よりも、自宅にいるのにも関わらず、ビンディングシューズやらレーパンを履いて色々準備をした上で、気合いを入れて運動するのが億劫なのです。出来ればパソコンで作業をしたり動画を見ながら、片手間に運動できるものはないものか…

そんな折、日本でエアロバイクやスタンディングデスクなどの人間工学製品を手がけるFlexiSpotさんから、デスク付きのエアロバイクが発売していることを知り、使って見ました。

開封の儀

購入は公式サイトまたはAmazon.co.jpなどの各通販サイトでどうぞ。

FlexiSpot V9外箱

外箱はこんな感じ。佐川急便のお兄さんが息も絶え絶えで運んできてくれました。

FlexiSpot V9重量

体重計で重さを計ってみてそれも納得、なんと約40kg。玄関から2階の自室まで一人で運びましたが、階段の途中で泣きそうでしたし、腰も少し痛めました。

よっぽど筋力に自信のある方以外、運搬・開梱は2人以上で行うことをお勧めします。

FlexiSpot V9 テーブル

テーブルも面積の広い、樹脂製のしっかりした大きなもので、これだけで10kg近くあります。

しかし、その重さに反して、組み立てはかなり簡単です。

fFlexiSpot V9説明書

説明書は日本語で書かれており、イラスト付きなので理解も容易です。とは言っても、説明書が必要なほど組み立て・操作は難しくありませんが…

flexiSpotV9梱包

箱の内部は製品が完全に発泡スチロールで包まれているので、運送中のちょっとやそっとの衝撃では問題なさそうです。ただ外のダンボールから出すのも一苦労ですので、繰り返しになりますが2人での作業をお勧めします。

FlexiSpot V9脚

バイク本体は、閉じている4本の脚とペダルを、カチッとなるまで開くだけ。

FlexiSpot V9テーブル接続部

デスク部分は付属の六角レンチでボルトを締めるだけ。

FlexiSpot V9電池

FlexiSpot V9シリコンカバー

あとはお好みでシリコンペダルカバー(素足・靴下で使用するとき用)をつけるなどして、付属のメーター用の単3電池2本を入れて、組み立ては終了です。

 

使ってみた

使ってみて、すぐに感じたのがデスクがあることの恩恵。これ考えた人、天才だと思います。

CES2018award

と思ったら、2018年のCES*1において、コンピュータアクセサリー部門でイノベーションアワードを獲得してるんですね。納得です。

作業環境

私の場合、デスクには上の写真のように、MacBook Proとスマホを置いて作業や動画鑑賞やゲーム、更には読書などをしながらバイクを漕いでいます。

足は何も考えなくても回せますので、下半身に気を取られて作業がおろそかになるということもありません(ただトラックパッドのドラッグ操作などで精密さを必要とする場面では、身体のブレが気になるときも)。

「ながら運動」の効果は素晴らしく、ふと気が付けば2時間くらいずっと回し続けていたというのもザラで、このデスクバイクが届いてから1週間、ほぼ毎日30km程度走行できています。

デスクの面積が広く(横幅58cm×奥行き50cm)、色々と物を置いても大丈夫なことに加え、デスク手前に付いているアームレストの効果が非常に大きいですね。

姿勢が辛くなったら、アームレストに肘を置いて体重をデスク側にかけることで楽になりますし、逆に机の高さを下げて机の先端を掴むことで、ロードバイクのように擬似的な前傾姿勢を取ることもできます。

本を読むときや、キーボードを打つときなんかにもアームレストに手首や腕を置いておけるので、長時間同じ姿勢でも全く辛くないです。

更に、デスクは上下だけでなく前後にもスライドで無段階位置調整(稼働幅約30cm)ができるため、動画を見るときはデスクを遠く、キーボードを使うときはデスクを近くするなど、柔軟な運用が可能です。

また、気になっていた騒音ですが、ほぼ皆無といっていいレベルで、非常に静かです。私はカーペットの上に置いていますが、フローリングに直置きしてもエアロバイク用の防音マットは不要でしょう。

深夜で隣の部屋に人が寝ているような状況や、階下に人がいる状況でも全く問題ないので、深夜に音を出せないマンション住まいの方などにも向いていると感じました。

ペダル負荷

ペダル負荷調整は、バイク中央にあるマグネット切り替えダイアルで行います。1から8の8段階設定で、8になると急坂をアウターギアで登っているような重さになります。ここまでいくと、自転車を漕ぐというよりかはステッパーを踏んでいるようなイメージです。

説明書によると5以上で長時間(連続30分以上)動作させると、マグネットに負担がかかり故障の原因となるとのことだったので、私はもっぱら4、1時間以上経ってちょっと疲れてきたら、3に落として使っています。

ロードバイクに普段乗っている方なら、負荷4あたりが平地をケイデンス80rpmを維持しながら20〜25km/h巡行くらいで走っているような感覚に近くなりますので、ちょうど良いかと思います。

マルチメーター

マルチメーターは走行時間、時速、距離、消費カロリー、積算距離(オドメーター)、ケイデンス(ペダル回転数/分)の6種類で、各種項目を順番に自動で表示することもできますし、一つの項目のみを表示し続けることも可能です。ボタン長押しで、それぞれ数値をリセットできます。

 

カスタマイズの余地

ペダル

FlexiSpotデスクバイクに装着してあるペダルは、普通の自転車に付いているものと同じタイプのように見える(屋内用なのになぜか反射板が付いている笑)ので、やろうと思えばビンディングペダルやトゥークリップ付きペダルを取り付けられるかもしれません。

こちらはまずロードバイクから取り外したものを装着できるかチェックしてから、可能であれば予備のビンディングペダルまたはトゥークリップペダルを入手して装着してみようと思います。引き足が可能になれば、効率的なペダリングの練習にもなりますからね。

サドルに関しては、ガス式の昇降機構が一体化して装着してあるため、交換は難しそうです。ただ、現状のサドルでも軽快車(ママチャリ)のようなクッション性の高いものが付いているため、ジーンズを履いて1時間座っていても、お尻は痛くなりませんでした。

ここが惜しい

FlexiSpot V9 デスクバイク、運動嫌いでものぐさの私が毎日乗り続けるほど全体的に満足感が高いですが、個人的に「あとちょっと!」という部分も数点あります。

ドリンクホルダーが浅い

ドリンクホルダーの底面部分にはシリコン製の滑り止めが付いているのですが、そもそもホルダー部分の深さが1、2cmしかないため、バイクを降りようと跨いだ時にドリンクを蹴飛ばしてしまい、床に落とすことがありました。

なので缶ジュースやグラスなどを置くのには全く向いておらず、蓋のついたペットボトルや水筒でないと安心できません。

万が一の水濡れの事故などを防ぐためにも、もう少しホルダー形状が深ければ良かったなと思います。

Bluetoothでデータ同期が出来れば

現状、運動したデータはエアロバイク内で完結しており、外部への出力端子もなく、バイク本体で日別・月別などのデータを出すこともできません。

ですので今は、毎回エアロバイクでの運動時間をスマートフォンのフィットネスアプリへ手入力していますが、それでは負荷量などが正しく計算できないため正確な値を記録できているとはいえません。

せっかくならばBluetoothを搭載して、スマートフォンの各種フィットネスアプリ(Google FitやApple ヘルスケア、S Healthなど)へのデータ送信が出来たら最高でしたね。

 

総評

まとめ

「自宅にいながら」「作業をしながら」「動画を見ながら」といった、「ながら運動」が非常に簡単に行えるため、わざわざジムに行くことなく、有酸素運動が作業の片手間に手軽に行えるという点で、私の中では革命的でした。

こういった家庭用のフィットネス器具は、買ったはいいもののなかなか長続きせず、数週間もすれば飽きてホコリをかぶり、1年後にはリサイクルショップ行き…というのが世の常でしたが、このFlexiSpot V9 デスクバイクに限っていえば故障でもしない限り、ほぼ毎日使い続けられそうです。

実際、この記事もデスクバイクを回しながらMacBookで書いていますが、すでに20km走行し、約300kcal消費しています。届いてから1週間、ほぼ毎日20〜30km走っているため、すでに積算距離は150kmに達しています。

記事を書くときも、自室のソファやベッドでダラダラしながら書くよりも、こちらに座ったほうが作業にずっとメリハリがあるため、執筆効率も上昇しており、嬉しい副作用発見といったところです。

春のロードバイクシーズンまで、このエアロバイクを使って体力作りに励もうと思います。

公式ショップはこちら↓

www.fleximounts.jp

*1:毎年1月にラスベガスで行われる世界最大の電子機器見本市。その出展品の中から、各分野で優れた製品が受賞するのがイノベーションアワード