Amazonの罠
先ほどTwitterのタイムラインを眺めていたら、Amazonのサイバーマンデーセール*1の商品についてのつぶやきがありまして、そこで紹介されていたのがEOS M2 ダブルレンズキット*2でした。
それを見てしまった私の突発的な行動として、
①レンズが2本もついて(病気)、価格が34,800円!!すげぇ安い!(気がする)
②さっそくリンクからセールページにアクセス。
③なんともう500セット限定のうち97%がカートに入っている、とりあえずキープしておこう(カートに入れる)
④Amazon「カートにはとりあえず入ったけど、15分以内に注文完了しないと他の人に権利ゆずるから。安心しないでね。」
と、ここまでが脊髄反射的に行った一連の流れ。
その後、わずか15分の間に本当にお得なのか、そもそもその商品は私にとって必要なのかを考えるためにものすごいスピードで考え始めます。
その後の行動として、
①カカクコムで最安値やAmazonの価格動向を調べる
→数日前に行われていたタイムセール(ほぼ毎日日替わりでやっている)でも同じ価格(34,800円)だった。このセールが特別安いわけではない。
②付属するレンズの単体価格を調べる
→ヤフオクで合わせて買っても2万円にまったく届かない。
③EOS M2はそもそもいつのモデルなのか
→ちょうど二年前に発売された、型落ち。その間モデルチェンジは2回(最新のモデルが先日発売のM10)。
④レンズのマウントはどうなっているのか
→EOS M専用。ただし同梱のマウントアダプタでEFレンズも使える
などと冷静に調べれば調べるほど安物買いの銭失いであることに気づき、カートから削除しました。
というか、冷静に考えなくても私ペンタックスユーザなんだから絶対いらないですよね。キヤノンの一眼レフユーザならサブ機として持つのも大いにアリかもしれませんが...
というわけで、毎度毎度、阿鼻叫喚のなかで終わっていくAmazonのセールを、どのように立ち回れば上手く使いこなしてこの先生き残れるのかを書きました。
Amazonセールでこの先生きのこる方法
Amazonのタイムセールは以前からこういった時間制限方式を採っており、なるほど消費者心理を上手くついた方法だなあ、と感心します。
例えば、
①大々的にサイバーマンデーセール!と銘打ち、いかにも商品が大幅に値引きされているかのように見せる
②セールページでリアルタイムに減っていく在庫数を見せることで、焦りを感じさせる
③カートに入れたあとも15分という時間制限を設けることで、消費者にあれこれ考えさせる暇なく購入を迫る
④カートに入れそびれた顧客に対しても、キャンセル待ちというシステムを与えることで自分にもチャンスがあるかもと思わせる
といった点ですね。
値引き率のマジック
①に関しては、そもそもAmazonの割引率表記は下記のようになっています。
今回のサイバーマンデーセールのある商品から引用しています。
「参考価格」はいわゆるメーカー希望価格、その下、「価格」はAmazonの通常時価格です。
「セール特価」は今回のサイバーマンデーセールの価格、「OFF」は「参考価格」からの割引金額と割引率を示しています。
つまり、普段でも38%オフで売っている商品を、それからさらにちょっとだけ値引きして41%オフにと表記しているにすぎません。
しかし、ただそれだけでも、ぱっと見でとても安く見えてきませんか?
上の画像は一例ですが、実際Amazonの大々的なセールはこのような商品がかなり多いです。たまに誤表記かと思うレベルで販売するものもありますが(前回のプライムセールのテレビとかMacBookとかですね)。
Amazonのセールに挑むときは、「割引率」でなく、「価格」と「セール特価」の解離度に目を向けましょう。
在庫が目の前で減っていくことの焦り、しかもカートに入れたとて安心できない
②③に関しては、本当に欲しい商品で迷ってしまい、カートに入れられずに完売し、後で後悔するよりかはとりあえず可能であればカートに入れてしまいましょう。
他のECサイトとは異なり、Amazonでは、タイムセール中にカートに入っている分に関しては、15分間は絶対に横取りされることはありません。
その間に、自分にとってその商品があなたに本当に必要なのか、そもそも価格は適正なのか(本当にほしい商品ならおおよその市価は頭に入っていると思いますが)、よく考えましょう。
だいたい、上に書いてある私のEOS M2 ダブルレンズキットのように、ただただぱっと見安い!が理由でカートに入れたならほとんどのものはあなたにとって不要です。他の人に譲ってあげましょう。
それが自分の興味のある商品で、近々購入を考えていた物でも、まずその商品について調べましょう。
その商品のAmazonレビューはセールに関わりなく、発売日から構築された、ユーザによるナレッジベースです。たくさんあって読んでいられない場合は「最も参考になったレビュー」を上から3,4個読みましょう。評価の高いレビューはだいたい参考になることが書いてあります。
また、家電製品などの場合は、その製品が型落ちの可能性もあります。大型白物家電の場合は年一回のラインナップ更新でもほとんど機能が変わることはないので、2,3年型落ちでも問題ない場合がほとんどですが、カメラ・パソコンなどの小型家電の進化は日進月歩です。セール品の次のモデルで革新的な機能が付いていたり、性能が大幅に向上している可能性もありますので、カカクコムやメーカのページの「製品を比較する」機能などを駆使して調べましょう。
10分もあれば、レビューを読み、比較検討することは十分可能です。焦らず冷静に検討しましょう。
また、カカクコム、ベストゲートなどを使い、価格が適正かどうかを調べることも重要です。
現在の最安値だけではなく、価格推移グラフなどにも目を通しましょう。以前に現在価格より安い底値があったりします。
キャンセル待ちは逆にチャンス?
Amazonのキャンセル待ちとは、カートに入れたけど15分以内に注文完了されなかった、あるいは自発的にカートから削除された商品に対して、予約が出来る機能です。
あまりにも人気の商品の場合は「キャンセル待ちはいっぱいです」と表示され、キャンセル待ちにすら入れない場合もありますが、経験上、高額な商品ほどキャンセル待ちで回ってくることが多い印象です。
悔しくもカートに追加できず、ただ早い段階でキャンセル待ちに回ることが出来た場合はその時間を駆使して2.の項目を行っておきましょう。高額な商品の場合、徒労に終わることは少ないはずです。
ただ、「キャンセル待ち」の注意点としては、キャンセルが発生し自分に回ってきた段階でセールページ(キャンセル待ちのボタンを押したページ)でポップアップが出て、カートに追加するかどうか問われますが、それに対する制限時間がかなり短いことです(おそらく1分だったと記憶しています)。
可能であればスマートフォンのAmazonアプリでキャンセル待ち監視を行い(アカウントが共通であればパソコンでキャンセル待ちしたものでもプッシュ通知してくれます)、パソコンまたはタブレットで他のセールを見たり、商品を調べたりするほうが賢明です。
キャンセル待ちの対象商品について調べる時間が十分にあるぶん、キャンセル待ちは逆にチャンスであると言えます。
プライム会員への優遇措置が開始
さらに、今回のサイバーマンデーセールから、プライム会員に対する時間優遇措置が行われています。非プライム会員のセール開始時間より、30分早く解禁される(12時にプライム会員スタートなら一般は12時半から参加)とのことで、数点限定の目玉商品に対しては非プライム会員はほとんど蚊帳の外になるはずです。
ただし数百個用意されている商品は、非プライム会員でも十分参加可能です。実際私も30分遅れでEOS M2を見ましたが、まだギリギリ間に合いました。
セール・タイムラインを眺めて、本当に欲しいものがある場合で、もし非プライム会員ならば年額3,900円を払う価値は大いにあるでしょう。プライムミュージック・プライムビデオも始まったことですしね。
最後に
安いものを見つけたら、つい飛びついてしまいたくなるのが人間というものですが、せっかく我々の目の前に便利な箱や板が転がっているのですから、それを有効活用しましょう。
15分という時間は短いようですが、一つの物事についてさわり程度に調べるなら十分すぎるほどあります。どうか時間に惑わされずに、冷静な買い物を。