2015年のペルセウス座流星群は近年稀に見る好条件とのことで、写真を取りに行ってきました。結果としては、最高の夜を過ごせました。
撮影機材
ボディ:PENTAX K-3
レンズ:SIGMA Art 30mm F1.4 DC HSM・PENTAX DA18-135mm F3.5-5.6ED AL[IF] DC WR
GPS/赤道儀:PENTAX GPSユニット O-GPS1
三脚/雲台:Velbon Sherpa 635
場所の選定
ちょうどお盆期間でしたが、翌日は仕事だったので、夜間でも日帰り出来る場所にしか行けずに車で40分程度で行ける厚真町へ。
厚真町には「開基百年記念公園」という山の中の自然公園があり、山のほぼ頂上まで車でアクセスでき駐車場があるため開けており、しかも光害がほとんど無い...という絶好の場所なのですが、この日は一人でしかも新月、車のヘッドライトを消したら周りは真っ暗...ということであまりにも怖かったので、別の場所に移動しました。
結局、開基百年記念公園の南、水田の側にある小橋の上で撮影することに。
遠く離れたところにある民家から真夜中だというのに激しい夫婦喧嘩の怒声が聞こえてきたので安心できた、というのもあります(笑)
いざ、撮影開始
0時くらいに家を出発したときは、雲ひとつない快晴だったのに、到着して三脚を出してみれば星の「ほ」の字も見えないくらいの曇天。
時々雲の隙間から空が顔を出しますが、雲の流れが早いので30秒露光でもダメ、という最悪の状況。たまーに雲を突き抜けるほどの明るい流星が流れましたが...
あまりにもやることがないので別の場所で撮影している友人と電話しながら時間を潰してました。
▲AM2時くらい、雲が晴れ始めたころ。光の色的に人工衛星かISSかな?
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流星フィーバー
状況が変わったのが深夜2時を回ったあたりから。あれだけあった雲がほとんど消え去り、時刻と新月の暗さも相まって肉眼で天の川を目視できるほどまでの好条件に。
これくらいから流星もよく見え始め、1分間空をみあげていればとりあえずどこかしらで流れるというフィーバータイム突入へ。
▲中央右の細長い線は衛星。写真右上と見づらいですが中央左あたりにも短い流星が写っています
▲トリミング済。左上はプレアデス星団(すばる)。今回撮ったなかで一番流星のスペクトル変化を捉えることができた
上の写真は30mm(35mm換算で45mm)で撮影し写真下部をトリミングしました。ペルセウス座流星群の特徴を一番綺麗に撮れたと思っている写真ですが、画角の狭さのせいで流星の増光を最後まで捉えられず、大変悔しい思いをし広角レンズの購入を検討するきっかけに。
▲トリミング済。60秒露光中に明るい流星が2個流れたのを捉えることができた。
この日は基本的にペルセウス座流星群の放射点である北東の空を撮っていましたが、特に東の空、プレアデス星団や明け方前のオリオン座方向でよく観察できました。
▲ペルセウス座付近を流れる流星。緑から黄色、オレンジへと輝線が変化している
こんな調子で時間を忘れてシャッターを切り続け空を見上げ続け、気づけば4時をまわり東の空が白んできました。さすがに見える星の数も減ってきたので撤収。
まとめ
今年のペルセウス座流星群は当たりだったと感じます。極大時刻が日本ではちょうど間の日中に当たる時間だったとはいえ、それ以外は観測に向く条件がよく重なり、特に天気の良かった北海道ではかなりの人が天体ショーを楽しめたのではないでしょうか?15日の土曜日の夜中に支笏湖を通った時にもバシバシ流れていたのは驚きました。
ただ、今回撮影機材の貧弱さを改めて実感したのも事実です。
特にレンズの画角。超広角レンズがあればなあ、と思うシーンが幾度と無くありました(PENTAXのDA18-135mmは微妙でした)。
SIGMA 30mm F1.4はかなり優秀なレンズですが焦点距離45mmは星撮影には狭すぎました。ただし、星の描写性能には大変満足しています。
もう一点不足していたのが自由雲台。3Way雲台は天頂に向けようとすると三脚を工夫して倒れそうになるのを支えながらの撮影となるのでイライラしました。近いうちにアルカスイス互換タイプの中華自由雲台(BENROとかSUNWAYFOTO)を購入しようと思います。
長秒露光に対する追尾はPENTAXアストロトレーサーがかなり頑張ってくれていると感じます。今回の写真はすべてアストロトレーサーを使用しましたが、100枚近く撮影して流れている(追尾が失敗している)写真は5枚ほどしかありませんでした。
例えば望遠で星雲や銀河を狙う、なんてことをしない限りはアストロトレーサーでなんとかなりそうです。
次は10月のジャコビニ流星群、11月のしし座流星群あたりですかね?それまでに機材を充実させていきたいものです。