これから予備自衛官補を目指す人のための基礎知識【採用試験編】

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私は2017年1月に訓練を終え、予備自衛官補から予備自衛官として任官されました。

この記事では、これから予備自衛官補を目指す人のためへのアドバイス・基礎知識などを、私の経験を踏まえてまとめてみたいと思います。

まず今回は、兎にも角にもこれに合格しないと意味がない「採用試験」についてです。

私は資格を使用した技能公募での採用ですが、試験の根本的なところでは一般公募も技能公募も大きな差はありませんので、どちらを目指す方にも問題ないかと思います。

ただ私の試験はもう既に約1年前になるので、ちょっと情報の古い部分があるかもしれません。他の方が書かれている予備自衛官補採用試験の記事なども合わせて補足していただき、合格への手助けになれば幸いです。

申し込み

予備自衛官補試験の申し込み

まずは、自衛官募集ホームページからの資料請求、または在住の都市にある地方協力本部に直接赴くか、電話するなどして、予備自衛官補の志願書類を手に入れましょう。

一般公募の場合は、直接インターネットから応募することも可能です。

私の場合は、直接街の地方協力本部出張所に行き、地本の方から制度の説明を聞いて書類をもらいました。

また、地本に電話すれば、広報官の方が家まで直接持ってきてくれると思います。

 

 

試験前の準備

予備自衛官補試験準備

試験対策について

試験の項目は以下の通りです。

筆記試験(一般:国語・数学・理科・社会・英語・作文、技能:小論文)
口述試験(幹部自衛官との面接)
適性検査
身体検査

どの試験・検査においても、特に難しいことを要求されるわけではないので、自分の本業を削ってまでしてガッツリ予習をする必要はないと思います。

一般公募の方は各教科の筆記試験がありますが、難易度的には高校入学レベルの問題なので、簡単だとは思います。もし不安な方は、試験対策の問題集が出ていますので、そちらで軽く予習をしておくといいかもしれません。

また口述試験では、予備自衛官制度について、いくつか突っ込んだ質問をされることもあるので、パンフレットやホームページなどに目を通して、最低限の知識はつけておきましょう。

 

服装・身だしなみについて

服装に関しては「スーツ厳守」といった指定があるわけではないので、あくまで個人の自由とはされていますが、社会的な常識を考えればスーツ一択です。

持っていなければ、吊るしでもなんでも良いので1着買いましょう。合格後の辞令書交付式(後述)でも使います。

私の試験の時は私服(しかもダボダボのストリート系ファッション)で来ていた自動車整備士の方が居ましたが、当然のように落とされてました。

自衛隊は、身だしなみにはかなり厳しい組織ですから、頭髪なども含めて、きっちりと整えていったほうが無難です。

 

身体検査について

基本的に五体満足・健康で、極度のやせ・肥満体型でなければ全く問題はないのですが、いくつか注意点があります。

まず入れ墨(タトゥー)は100%NGです。ほんの1箇所小さく入れているだけでも見つかった瞬間に問答無用で落とされます。

また、歯科医による口腔内のチェックもありますので、試験当日までにできるだけ虫歯(う歯)は治しておきましょう。

尿検査・血液検査は万が一ひっかかると再検査となり、2回目の数値にも異常があると、欠格事由となり、落とされる可能性が非常に高くなります。そのため暴飲・暴食は避け、特に試験前日の飲酒は控えましょう。また当たり前ですが、違法薬物が検出された場合はアウトです。

喫煙歴に関しては特に注意はありませんが、肺活量測定で男性3,000cc以上・女性2,400cc以上の数値が必要になるので、肺機能に問題の有る方は注意して下さい。

 

 

試験当日

と予備自衛官補口述試験

例年、第1回は4月中旬ころ、第2回は9月下旬〜10月上旬ころに、各方面隊(北海道→北部方面隊、東北→東北方面隊、関東・甲信越→東部方面隊、東海・北陸・近畿・中国・四国→中部方面隊、九州→西部方面隊)の5箇所に分かれ、各都市で予備自衛官補採用試験があります。

一般・技能公募ともに年間で採用される定員数は決まっており、第1回の試験で採用枠が埋まってしまうことも少なくないため、第2回の試験は開催されない(募集がされない)ことが多いです。

私のときも、最初は夏に第2回の試験を申し込みに地方協力本部の出張所に行ったのですが、すでに第2回は行われないことが決まっており、次の春に行われる第1回試験に合わせて再度資料を届けてくれるように取り計らってくれました。

 

さて、試験当日に話を戻しますと、私は北海道道央在住なので、最も近い札幌市・札幌駐屯地(北部方面総監部)で試験が行われました。函館や旭川、道東の方は、それぞれの最寄りの都市にある駐屯地で試験が行われたようです。

 

試験会場の雰囲気

体育館のような場所が試験会場兼待機場所になっており、そこで筆記試験・適性検査が行われました。技能公募のみで、参加者は40人ほど。服装は95%がスーツでした。

まず、すぐに男性は全員別の建物に移動して、身体検査が行われました。採尿もこの時にあったので、できるだけ水分を早い時間に摂取しておいたほうがいいかもしれません。

採尿後は、男性はパンツ一丁になって各検査・測定をグルグル回ります。女性はTシャツとか短パンを履くらしいです。

検査項目は、身長・体重、聴力、視力、色覚、胸部X線、肺活量、採血、関節の可動域などですね。

この後、待機場所に戻り、口述試験・医師(医官)の問診・歯科医(歯科医官)の問診を各自呼ばれた順に行っていきます。

この各試験の間の待機時間がとても長く、めちゃくちゃに暇になるので、本とかパソコンとか暇つぶしの道具があると良いかもしれません。

私の場合、歯科問診→医師問診→昼食(各自で持ってきたものを食べる。外出は基本不可)→口述試験といった流れです。医師の問診から口述試験まで2時間位暇でした。

また、試験中は試験会場にカンヅメで、自由に外を出歩くことは許可されていません。お手洗いに行きたい方、喫煙したい方は案内するので試験官に声をかけて下さいと言われますが、なかなか声をかけにくい雰囲気でした。

 

口述試験

口述試験は、佐官〜尉官級の試験官4人対自分1人の、複数対個人面接でした。

尉官級の人と1対1なのかなーなどと悠長に構えていた私は、かなり面を喰らってしまいしどろもどろになりかけましたが、試験監督らしい最上級者(二佐か三佐だった)の方が「緊張しますよね」と優しく接してくれたので、ぎりぎりなんとかなりました(笑)

入室要項などは、予め地本の広報官からプリントなどを貰えるので、その通りやれば大丈夫です。ちょっとだけ普通の会社の面接と異なる点が有るので気を付けて下さい。

試験時間は15分程度(体感的は30分くらいありました)。まず最上級者がいくつか質問をしたあと、他の3人が1、2個質問をしてくるような方式でした。

「予備自衛官になると招集や訓練があるが、家族・職場の理解は得ているのか」

「予備自衛官に志願した動機は?」

「予備自衛官制度について、どれくらい理解しているか」

「訓練中は集団生活をすることになるが、不安はないか」

「あなたの長所・短所を教えてほしい」

「何かスポーツ、運動をしているか」

「あなたの国家資格を、自衛官としてどのようなことに活かせるか」

「あなたが今の職業(国家資格)を目指した動機はなにか」

「趣味はなにか」

「最後に自己PR」

などなど、おおまかに10項目くらいの質問がされました。

特に一番最初の「家族・職場の理解」という点はしっかりと自分で掌握して解答しておかないと、合格させても訓練に来られないんだろうなぁという印象を受けてしまいます。社会人の場合は予め会社へ説明し、制度の理解を深めておくことが重要です。

 

またここでは回答の内容ももちろん重要なのですが、質問者の目を見ながら、はっきりと聞こえる声で答えるのが一番大事だと個人的に思います。モゴモゴ喋るくらいなら、やけくそ気味にハキハキ喋ったほうが絶対に印象は良いです。

もし緊張して頭が真っ白になって答えが出なかったら、黙っているよりかはちゃんとそう伝えたほうが誠実です。また、嘘は付かないほうがいいでしょう。突っ込まれて墓穴を掘る可能性もありますし、向こうも多分それを分かっています。

私の場合は、最後の自己PRがくることを全く予想しておらず、この質問をされた瞬間頭が真っ白になりました。その前に言った自分の長所をちょっと改変して喋った記憶があります(ほとんど覚えてません)。

 

適性検査

全員の問診・口述試験が終わると、そのまま筆記試験に入ります。

まずは適性検査と呼ばれるもので、書いてある項目(例:いつもだれかに見られているような気がする。など)に対する自分の考えを、試験官が読み上げるスピードに合わせて◯か✕をつけていくものです。

運転免許取得時に、自動車運転教習所で行われるタイプのアレですね。

 

小論文筆記試験

自衛隊や集団生活などに関するテーマに対しての自分の意見を、A4原稿用紙に自由記述します。

小論文のテーマは、試験開始直前まで厳封された茶封筒に入っており、試験開始時に試験官がはさみで開封し各人に配布します。このへんの徹底っぷりが自衛隊っぽいですよね。

私の時は「集団生活において重要だと思うことを、自身の経験を照らし合わせて書け」といった感じの内容で、事前に地本から知らされていたテーマ予測と1個もかぶっておらず、頭を抱えましたが中学・高校生のときの部活動などを思い出して書くとなんとかなりました。

書けば書いただけ良いとは思っていませんが、余白があるよりはいいだろうということでA4用紙にビッシリと記述しました。

作文が苦手な方は参考書もあるので、持っていって試験前の暇な時間に読んでおくのも良いかもしれません。

これが最後の試験科目だったため、終わった人から小論文を提出して帰ってよしとの通達があり、終了まで30分を残して退出。午後3時半ころには駐屯地を出ました。あとは結果を待つだけです。

 

 

合格発表

予備自衛官補ほ合格発表

発表期日は試験から約1ヶ月後になります。

原則は文書での通知となりますが、地方協力本部のホームページ等で合格速報を出していることもあります。

合格者は採用候補者名簿に登録され、上位から順番に採用されます。

採用された場合は、後日各地で行われる辞令書交付式への案内・入隊意向書・宣誓書などが、郵送または地本の方が持参で手元に届きます。

 

辞令書交付式

7月頃に一般・技能の採用者に対して辞令書を交付する式典が各駐屯地で開催されます。こちらは強制参加ではないのですが、下記の理由から参加をオススメします。

私は日程が休日だったこともあり、参加してきました。なお、こちらは試験時と違いスーツ厳守ですので、お間違えのないよう。また夏のクソ暑い時期でも式典中はスーツの上着が脱げませんので、冷感肌着などを着ていくと良いと思います。

衛門に到着すると、そこからマイクロバスで駐屯地内の会館まで移動し、そこで印鑑と通帳の写しを預けます(往復の交通費が支給されます)。またこの時、予備自衛官補手帳は会場で渡されました。

その後式典予行(ここで停止間の基本教練のさわり{気を付け、敬礼、頭[かしら]の敬礼、休め、整列休めなど}を幾つか教わります)、本番(一人ひとりに辞令書が手渡されます)、現職の予備自衛官を招いての懇談会、記念写真の撮影、施設内見学などが行われました。

次の訓練で一緒になるだろう人たちとも交遊を深めたり、連絡先を交換できるので、もし可能であれば参加したほうが良いと思います。一般公募の方とも色々と会話をすることができました。大学生・院生の方が多く、卒業後は自衛官への道を進む人もいて、なんとも頼もしい限りだなあと感じたのを覚えています。

 

次回は、いよいよ教育訓練についてまとめたいと思います。