SMOANT Pasitoを分解してみた

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最近のVapeデバイスの進化は本当に著しいですね。毎日のように次々と新しいデバイスが発売されて、人気のないものはあっという間に淘汰されてしまいます。

その移り変わりの激しいVapeデバイスの中で、その味の良さと、POD型なのにRBA(コイルとウィックを自分で作ること)も出来るという、Vape愛好家を満足させるクオリティで最近人気を博しているのが、中国・SMOANT(スモアント)のPOD型デバイス・Pasito(パシート)。

私も数ヶ月前に購入して以来、18650バッテリーを使う大型テクニカルMODやJustFog Fog1を全く使わなくなり、Pasitoばかり使っています。

あまりに美味しいので、先月中国から2個目を買っちゃったレベル。

そのPasito、味と性能は抜群に良いのですが、ロット間で品質にややバラツキがある印象があり、使っているうちにカタカタ内部から音がするとかカートリッジからリキッドが漏れるとか、機械としての信頼性は個人的に今ひとつな感があります。

私が使っているものも、リキッドが漏れて底から滲み出てくるという現象が発生しました。

分解して清掃しようと思ったのですが、「Pasito disassembly」「Pasito 分解」とかで検索しても全く出てこないので、自分でやってみることにしました。

分解

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早速分解していきましょう。

まず、作業前にパフボタンを5回押して電源をOFFにしておきます。Pasitoはカートリッジが挿入された状態でないと通電できないようにはなっていますが、万が一の事故防止のためです。当然ですがカートリッジは外しておきます。

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まず、底面のフタにあるプラスネジ4個を外します。かなり小さいネジなので精密ドライバーが必要です。ドライバー先端が磁化されているものだとネジを無くしにくいのでさらに良いと思います。

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私のPasitoは、外したらもうすでにフタの裏面がリキッドまみれになっていました。しかもパンチ穴からゴミが侵入して汚い…

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次に面積の狭い方の両側面下部にあるプラスネジを外します。底面のものとサイズが異なるので、混ざらないようにしましょう。

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ここまで終われば、あとはカートリッジを入れる部分の黒いところを上側から底の方に押し込むとスルっと中の心臓部が出てきます。

ね?簡単でしょ?(ボブ)

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構造としては外観のスリーブの中に、PODの心臓部が入っているんですね。

この時、パフボタンがある側を下に向けて、また宙に浮かせた状態で押し込むのがコツです。こうしないとボタンの裏が引っかかってうまく押し出せません。

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また、カートリッジを受ける本体側の磁石の後ろにはスリーブとの隙間を埋めるための小さな長方形のゴムが付いています。心臓部を押し出した時にスリーブの中に残っていることが多いので無くさないように。

カートリッジ部分を除いた本体の構成部品としては、外のスリーブ、中の心臓部、パフボタン、出力変更ボタン、底面フタ、ネジ中2本、ネジ小4本、隙間用ゴムとなっています。

 

清掃

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カートリッジから滲み出たリキッドは、スリーブと心臓部の隙間に大量に溜まっていました。心臓部まで到達していなかったのは幸いですが、このまま使い続けていると危なかったかもしれませんね。

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底面を見ると、カートリッジから出たリキッドがスリーブの隙間を通って、底まで達してしまっているのがよくわかります。

スリーブはプラスチックなので水洗いしてしまっても大丈夫ですが、心臓部はIC基板がむき出しになっており、取れやすいLEDチップなどもあるので、綿棒などを使って慎重に拭き取りましょう。

特に拭き取りにくい内側はエアダスターなどを使うといいでしょう。

 

内部構造・比較

分解したPasitoの中を見ていきます。

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内部のほとんどをリチウムイオンバッテリーで占めています。バッテリーはシリコンシーラントとポリイミドテープで固定されています。

バッテリー天面部にはカートリッジから出る端子と接続するための接点があります。

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回路基板部です。私がPasitoを気に入ってる要素の一つに、最近普及し始めたUSB TypeCが充電用ポートとして装備されていることがあります。

スマートフォンもMacBookもUSB-Cで、身の回りからmicroUSBを使う製品がほとんどなくなったので、ケーブルが一本で済むためとても助かっています。

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裏面に見えているのはバッテリー容量などを示す5つのLEDチップです。

こうしてみると、全体的に単純な構造をしていますね。

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ついでに、手元にあるもう一つのPasitoも分解してみました。

左が先月アリエクスプレスから購入した新しいPasito、右が3ヶ月前くらいに国内Vape用品店から買った古いPasitoです。

ロットの違いなのか、バッテリーが異なりますね。というか、Pasitoのバッテリー容量って1100mAhじゃありませんでしたっけ?アリで買ったほうは1000mAhって書いてあるんですが…

また。アリで買った電力量の表記が3.70Whなのに対して、国内で買ったのは4.07Whと印字されています。右は定格電圧が書いてないので断定はできませんが、同じ3.7Vだとすれば、やはり数字だけ見れば右の方が容量の大きなバッテリーを積んでいることになります。

つまり右は記載はないけど、商品説明通りの1100mAhのバッテリーが使われている可能性が高いってことですね。体感でも、なんか新しく買ったPasitoはバッテリーの持ちが良くないような気はしていました。

固定のシーラントの充填とポリイミドテープの貼り方も、アリエクスプレスの方が若干雑ですね。というかこうしてみると曲がってますね…

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回路基板に乗っているチップは見比べてみましたが、どうやら同じものが使用されているようです。

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底面部。左がアリエクスプレス、右が国内購入。国内購入品は底面までシリコンが入っていたのですが、アリはポリイミドテープのみで固定されていました。

新しいロットがこういう作り方に変わったのかもしれませんが、比べてみるとアリエクスプレスの方がやはり雑です。

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ボタンの裏面。左がアリ、右が国内。

国内で買った古いPasitoにはザラザラしたテープが貼ってありましたが、アリで買った新しいPasitoには見当たりませんでした。

回路基板の半田付けのクオリティはアリエクスプレスの方が丁寧でした。

 

組み立て

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組み立ても簡単で、先にボタンを上の写真のように嵌めておき、底の方から心臓部をスリーブに挿入するだけです。

隙間埋めのゴムは最後に天面の方から元の場所に入れます。ドライバーを使うと隣にある磁石に引っ張られて作業がしにくいので、爪楊枝を使うと楽でした。

あとは側面のネジをとめ、底面フタをネジをとめて終了です。

まとめ

今回は分解ついでに違う時期に買った2つのPasitoの中を見比べてみました。

単純なロット・製造時期の違いなのかもしれませんが、内部を見比べてみると、全体的に古いPasitoの方が丁寧な作りをしているように感じました

SMOANTは中国深センの企業で、Pasitoも同地で作られている製品なので、本国のアリエクスプレスで買ったものが偽物だったということはあまり考えられませんが、ここまで違いがあると、製品として歩留まりが悪いのではないかと思ってしまいます。実際、アリエクスプレスから一緒に購入したPasito用MTLコイルは寿命がかなり短いですし…

1番の問題、アリで買ったPasitoのバッテリーの容量が1割詐欺ってた件はどうしましょうね…セラーに連絡したら代替品を送ってくれるのだろうか…

アリエクスプレスも製品に問題があれば返金してもらえますが、今後追加購入するのであれば対応の早い国内ショップから買うかもしれません。値段もそこまで変わらないですからね。

POD型デバイスながらリビルドも出来、プリメイドコイルも優秀でテクニカルMODレベルの味を出せる素晴らしいデバイスなので、私は今後も使っていく予定ですが、製造元は検品をもう少ししっかりしてもらえればなあと思いました。

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ヨタですが、先日北海道のVAPE革小物を作っているCHIKAP(チカプ)さんからPasito用のレザースリーブを買いました。

レザーの質も良いですし、何より縫製やコバの処理といった部分が非常に丁寧で、革製品として素晴らしい出来になっています。

Pasitoとのフィッティングもバッチリで、とても気に入っています。オススメです。