サイクリングエクスプレスでBOTTECCHIA 8avio Evo 2017フレームセットを買いました

Bottecchia 8avio evo トップ

ねんがんの カーボンフレームをてにいれたぞ!

→ころしででも うばいとる

というわけで、念願だったカーボンフレームをようやく購入しました。

買ったのはイタリアの「BOTTECCHIA(ボッテキア)」というメーカーの「8avio Evo(オッタヴィオ エヴォ)」というミドルグレードの2017年モデルのフレームです。

ボッテキアは、イタリアンメーカーの中でもかなりマイナーな存在で、私は今まで、他の人が乗っているのを1回しか目撃したことがありません。

そんなボッテキア、昔は個人輸入するしかなかったのですが、数年前から釣具のDAIWAの会社である「グローブライド」が輸入・販売を始めたため、国内でもかなり手に入りやすくなりました。とは言っても私は海外通販で買ったのですが…

BOTTECCHIAに惚れた理由

Bottecchia Super 8avio

そもそも、私がここのメーカーのフレームに興味を持ったキッカケが、かなり前に「Super 8avio(スーパーオッタヴィオ)」というボッテキアのカーボンフレーム(上の写真は2014年モデル)に一目惚れしたためで、以前からずっと狙っていたのですが、2014年を最後に販売終了してしまいました。

それと入れ替わりにラインナップに加わったのが、トップチューブが弓なりになった「8avio Evo」で、たまたまサイクリングエクスプレス(台湾のロードバイク通販サイト。すごく安い)を見ていたらたまたまこのフレームが販売されていて、たまたま自分の体格にあったサイズが1台だけ残っていたため、これはもはや運命だと思い購入してしまいました。

CARRERA phibra

もともと、上の写真の「CARRERA PHIBRA(カレラ フィブラ)」のような、トップチューブがアーチを描くフレームが大好きで(フィブラはちょっと極端すぎますが)、スローピングの性能と、ホリゾンタルのカッコよさが上手く共存できている、とても素敵な形状だと思っています。

クォータのキドラやクレヨン、ビアンキのオルトレなんかも大好物ですね。

そのため、8vio Evoは一目見た瞬間、ビビッと来てしまいました。

 

購入〜到着まで

サイクリングエクスプレス(CEX)は、台湾に拠点を置く自転車通販サイトで、他の海外通販サイトに比べてフレーム・完成車の価格が安く、セール品の値引き率が高い、日本に近いので到着が速いといった特徴をもっています。

フレーム・完成車の安さは、国内外を始めとするほとんどのロードバイクメーカーが、フレーム製造を台湾もしくは中国に委託して自国で組み上げている方式なので、そのため直販価格に近いものがあるのではないかと踏んでいます。

正規の工場から横流ししている可能性も否定できないですけどね… 生産国の話はけっこう闇が深いので、気になる方は調べてみて下さい。

で、そのサイクリングエクスプレスでフレームを購入したのですが、コンポーネント一式も安かったので、ついでに同サイトで購入しました。

電動変速のアルテグラグレード「6870 Di2」です。

去年、最上級グレードのDURA-ACEが9000系からR9100系にフルモデルチェンジしたので、今年または来年中にアルテグラも刷新されると考えられています。そのため、どこの通販サイトでもかなり現行アルテグラを安く販売しており、サイクリングエクスプレスでもグループセットで、10万円を切る価格で購入できました。

9000系からR9100系の変化を見るに、セカンドグレードのアルテグラでもそこまで大きな変革はないだろうと考えた末の購入です(というかクランクに関してはダサくなったのでは…)。最後まで4万強の5800系105と悩みましたが…

もともとそこまで電動変速に大きなメリットを感じていなかったのですが、やはりガジェット好きとしてはこんな面白そうなオモチャに手を出さないわけには行かないと思ったこと、ワイヤー式はもう既に2台くらい組んだので、電動式も経験上一度は組んでおきたかったということも理由の1つです。

送料・VIP会員について

1年くらい前まではCEXでの購入は一定金額以上で送料無料だった気がしたのですが、いつの間にかモノの大きさに応じた送料を取られるようになっていました。

フレーム・完成車の場合、日本まででも8,000円〜10,000円前後の送料が別途必要になるうえ、送料は同梱できるような小物以外は、注文の中でも一つ一つに掛かるので、Wiggleなどのヨーロッパ系通販サイトと比較する際は注意が必要です。

送料を含めたらそこまで安くない、という場合が今後増える可能性がありますからね。

また、CEXでは、最近新たにVIP会員サービスというのを開始しています。

これは年会費3,500円を支払うことで、様々な商品をVIP会員専用の割引価格で購入できたり、優先発送サービス、価格保証・関税キャッシュバック(一部の商品を除く)などの特典があり、VIP価格だけで元を取れる商品が多いので、加入のメリットは大きいです。

私もVIP会員になることでフレームが10,000円引き、コンポーネントが10,000円引きという状況だったので、とりあえず加入してみました。

高額な商品(フレーム、完成車、ホイールなど)ほどVIP会員前提の割引率になっており、例えばMavic Cosmic Carbon(コスカボ)ホイールなどは、通常価格が136,000円なのに対して、VIP価格は99,999円と、大きな差があります。

年間に2回以上CEXを使う場合、欲しいものが、VIP会員費と送料を合わせてもVIP価格が他社を下回る場合などには、とても有効なサービスといえるでしょう。

注文

VIP会員価格の適用は、VIP会員権を決済した後からのようなので、VIP会員権と商品を同時購入しないように気を付けて下さい。

CEXの良いところは、決済にJCBのクレジットカードも使用できるところですね。

海外系の通販サイトだとJCBは使えないところが多いのですが、CEXは国内決済代行業者のAXESが仲介しているのでその点は安心できます。

電動アルテグラ到着

フレームとコンポーネントは、3月8日の夕方に購入し、即時決済終了。2日後の10日には台湾から発送されました。

コンポーネント荷姿

最初は同一業者で2個口だと思っていたのですが、コンポーネントは台湾のEMS経由の日本郵便で、フレームよりも先に、発送から4日後の14日に到着しました。

これに本当にコンポ一式が入ってるの?と疑うサイズ(80サイズくらい)の箱で、驚きました。しかし開けてみると、どうやらコンポーネントの外箱が無いようで(バルク品?)、

すべてのパーツがキレイにプチプチで包まれて、パズルのように収まっていました。

フレーム到着

フレーム追跡

フレームは中国流通王(スコアジャパン)という国際運送業者を経由して佐川急便で翌15日に配達されました。ただし荷物の追跡はNOVA FREIGHTという台湾の航空貨物の会社サイトからになっていました。

追跡情報を見ると、発送翌日には既にKIX(関西国際空港)に入っているので通関やら業者の引き渡しで手間取っていたのでしょうか?

なお、コンポーネントは非課税だったのですが、フレームのほうが輸入消費税をスコアジャパンを通してしっかりと請求されており、佐川急便の代引配達に変えられていました。

ちょっと納得行かないのは関税作業手数料とか代引き手数料など訳の分からない手数料で1000円近く多く請求されたことですね。輸入消費税なら自分で払いますよ…

フレーム荷姿

で、届いたフレームの荷姿がこれ。ちゃんとボッテキアの箱に入って届きました。ボッテキアのトレードマークでもある鷲が目を引きますね。

サイクリングエクスプレスは、ネットで見かけた話だとフレームのシリアル番号が削り取られていたとか、Mavicホイールのシリアルが書かれたシールが剥がされていたとかちょっと怪しいところもありますが、こんなマイナーメーカーの偽物なんかわざわざ作る理由はないですし(作るのなら売れ筋のDE ROSAとかPINARELLOとか作りますよね)箱もちゃんと付いてきたのでおそらく本物なのでしょう。ちなみにこのフレームもきちんとBB下に車台番号が刻印されてました。流石にイタリア本国のボッテキアに、フレーム番号の問い合わせまではしていませんが…

さて、見ての通りかなり大きい箱ですが、手にとって持ってみるととても軽く、これがカーボンフレームか…と心が踊ります。

 

開封・各部インプレ

フレーム梱包

そして箱から取り出したフレームがこれ。

しっかりとフレームの弱い部分、例えばフロントのエンド部だったり、リアステー部だったり、ボトムブラケット部だったりにスポンジ様の緩衝材が取り付けられていました。

荷解きをして各部をチェックしましたが、当然ながらダメージだったり塗装剥がれなどは見受けられませんでした。

Bottecchia 8avio evo フレーム全体

まずはフレームの全景。

これでもかと各所にBOTTECCHIAのロゴが配置されていますね。この写真では見えませんが、フロントフォーク内側やダウンチューブの裏側などにもロゴが入っています。この自己主張の激しさがイタリアンですねー。

Bottecchia 8avio evo トップチューブ

そしてやはり目を引くのは弓なりになったトップチューブですね。タイヤを付けた状態になると、わずかにシートステーの方に向かって傾斜がつくので、分類的にはスローピングフレームということになるのでしょうが、ホリゾンタルのような直線でビシっと構成されたフレームに対して8avioは曲線でなめらかな印象を与えています。

シートポストの右側には「Ottavio Bottecchia」の筆記体サインが入っています。

ツールなどの自転車レースで活躍した選手が、引退後に自分の名前を冠したロードバイクメーカーを立ち上げるのはよくあることです。ウーゴ・デローザが立ち上げたDE ROSA、エディ・メルクスが立ち上げたEDDY MERCKXなどが有名ですね。

この点でボッテキアは他社と成り立ちが異なっています。

Ottavio Bottecchia Photo

オッタヴィオ・ボッテキア(Ottavio Bottecchia)は、第1次世界大戦後の1920年代に活躍したプロの自転車選手で、1924年のツール・ド・フランスの総合優勝者でもあります。ちなみにこの時は第1ステージで優勝し、マイヨ・ジョーヌ(各ステージ優勝者に与えられる黄色のジャージ)を手に入れると、そのまま最終ステージまで他の誰にもそれを渡すこと無く、完全優勝を遂げます。次の1925年にも総合優勝を果たしますが、翌1926年はDNF、そして彼の活躍は、その年が最後になりました。

1927年に、農道で頭蓋骨を骨折し出血多量の状態で死んでいるのが発見されます。社会主義者だったボッテキアがファシストに殺されたとも、マフィアに殺されたとも言われていますが、その原因は今でも判明していません。享年33歳のことでした。

そして彼の死後、友人であり自転車製造業者だったテオドーロ・カルニエッリ(Teodoro Carnielli)が、若くして没したボッテキアの、その偉業を讃えて立ち上げたメーカーこそ「ボッテキア」なのです。

ちなみに、私が今回購入したフレームの名前は「8avio」なのですが、読み方は「オッタヴィオ」なんです。数字の8はイタリア語で「otto(オット)」と表記するので、Ottavio Bottecchiaの名前を冠するロードバイクに洒落を効かせて「8avio」と名付けたのは、イタリア人ならではのユーモアと言えるでしょう。

Bottecchia 8avio BB

ボトムブラケット(BB)部。

シェル幅86.5mmのプレスフィット方式を採用した大型のボトムブラケット部。

流石に幅広なだけあって、マッシブな印象がありますね。

ちなみに今回はプレスフィットBBは使わずに、ウィッシュボーンというねじ切り式のBBを使いました。とても画期的な商品だったので、それに関してはそのうち記事を書きたいと思います。

Bottecchia 8avio FDマウント

フロントディレイラーは直付け(Braze on)タイプ。

FD用のケーブルルーティングは、リアステーの根元のところから取り出せるようになっています。もちろん電動変速のケーブルにも対応。

Bottecchia 8avio ケーブル内蔵

フロント側のインナーケーブルの取り込み部分。ちなみにダウンチューブのところにある"IRC"が"Internal Routing Cable"の略だそうで、こういったフレームの機能の頭字語が、フレームの様々な部分に書かれています。

トップチューブは下辺のほうが長い台形状に成形されており、こちらはTHT(Taperd Head Tube)という名前がついています。剛性アップや安定性の向上につながるそうです。

Bottecchia 8avio フロントフォーク

フロントフォークはUDカーボン製。UDとはUni Directional、単一方向性に積層されたカーボン繊維のことで、普及価格帯のカーボン製ロードバイクはほぼこの製法で作られています。

ブレーキは一般的なキャリパーブレーキをボルトで取り付けるタイプです。

若干ですが、フォーク上方がえぐれた形状になっており空力性能の向上に役立ちそうです。

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Bottecchia 8avio リアステー

Bottecchia 8avio リアステー2

リアステーはUSRS(Ultra Slim Rear Stay)、UARS(ULTIMATE ASYMMETRIC REAR STAY)ということで、かなり細く薄く、また左右非対称になっています。

前モデルの通常のステーに比べて、30%ものパフォーマンス向上とのことですが、果たしてそれが自分にわかるのか…

リアディレイラーへのワイヤリングも、完全内装仕様となっており、BB部から右側ステーの中を通り、後端から取り出せるようになっています。

Bottecchia 8avio トップチューブ2

トップチューブ後端には、リアブレーキ用の内蔵ワイヤー取り出し口が付いています。

こちらはボルトで取り外し可能な金具がフレームについており、ケーブルを通す時に楽そうです。

Bottecchia 8avio BB裏

ボトムブラケットの裏のケーブルルーティング部分。樹脂カバーが付いていますが、撮影のために取り外しています。

右側のルートがリアディレイラーへ、左側はフロントディレイラーの真下へつながっています。今回は電動用のケーブルを通したためここのルートは使いませんでしたが、ワイヤー式だとかなり取り付けが楽そうな印象を受けました。

ちなみに購入したサイズは53です。以前乗っていたバイクが55サイズだったのですが、ホリゾンタル換算のトップチューブ長ではほぼ同じような値だったため、問題ないと判断しました。

Bottecchia 8avio シートポスト

シートポストはφ27.2mmの一般的なタイプ。

クランプはTranzXのものが付いていました。ここはまともに機能さえすればいいのでこのまま使いたいと思います。

Bottecchia 8avio ダウンチューブ

Bottecchia 8avio ダウンチューブ2

ダウンチューブはかなり太く、それが細身のトップチューブ・リアステーの繊細な印象を更に引き立たせています。

裏面にもしっかりとロゴを入れるあたりがニクいですねー。

1枚目の写真にあるDMMTはDouble Mold Monocoque Technologyの略で、簡単に言えばフレームの成型時に外からだけではなく内側からも圧力をかけて、カーボン繊維の積層成形をより強固なものにしている、とのことです。

フレームの強度に関しては使っていかないとわからないですから、これからが楽しみですね。

 

組み立て

Di2電動化パーツ類

フレームが届いてから、電動変速に必要なパーツ(バッテリーやケーブルなど)や小物をちょいちょい買い集めながら、空いた時間に組み上げ作業を行っていました。

実はこの記事を書いている段階で、もう既に完全に組み上がっているのですが、そちらの様子と、フレーム・Di2 ULTEGRAのインプレは次の記事で書いていこうと思います。

その他にもかなりいろいろなパーツを入れ替えたのでそれもまたおいおい。

今の北海道は、ようやく根雪が溶けはじめて、雪解け水で路面がベチャベチャなので、シェイクダウンには少なくともあと1、2週間は待つ必要がありそうです。

ボッテキアのフレームは、ネット上にもレビューやインプレを書いている人がほとんど居なかったので、この記事とこれからの記事が何かの役に立てば光栄です。