iPhoneと固定回線をWiMAXに集約して通信料金を節約する

ここ数年、UQコミュニケーションズが提供する、高速モバイル通信サービスWiMAXの躍進が著しい。
月額3880円で帯域制限なしの使い放題、回線工事不要、一年縛のみの回線縛り、エリア内の高速通信といったところが受けているようだ。
私も、WiMAXのメリットと、通信料の安さに惹かれて、光回線とパケット定額プランから乗り換えたうちの一人であるが、現実問題として全体の料金はどう変わったのだろうか。

従前の月額通信料金

WiMAX以前は、固定回線としてNTT西日本が提供する「フレッツ光プレミアム マンションタイプ」、プロバイダは@niftyの光回線プランを使用していた。
一方、iPhoneの料金プランはバリュープログラム(i)のパケットし放題フラットに月々割適用で使用していた。
また、もう一回線、ドコモのガラケーを通話用として所有しているが、こちらに関しては料金プランは変更していないので今回は除外する。


 


さて、上記の料金を並べてみると、

  • NTT西日本 フレッツ光プレミアム マンションタイプ 

3885円(VDSL機器レンタル代含)- 326円(2年縛りの10%割引、通信料のみに適用)
= 3,559円

  • @nifty プロバイダ契約料

= 997円

  • SoftBank バリュープログラム(i)

ホワイトプラン(i) 980円 + S!ベーシックパック 315円 + パケットし放題フラット 4410円 +新スーパーボーナス割賦(2年払い、 iPhone4 32GBモデルの場合) 2400円(24回) - 月々割 1920円(24回)
= 6,185円*1
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= 10,741円
となる。割賦金額から月々割月額を差し引いたiPhoneの実質負担額が月480円であるので、それを考慮しても、通信料のみに月額一万円以上支払っている計算となる。

乗り換え後の料金

今回WiMAXを契約するにあたって、プロバイダは@niftyをプランを変更しつつそのまま引き継いだため、WiMAXのISPも同時に@niftyとなった。また、キャンペーンとして回線契約手数料無料、契約初月無料、機器代金割引、キャッシュバック7000円が適用された。
また、ソフトバンクの契約も見直し、パケットし放題フラットをパケットし放題forスマートフォン(従量制パケット定額)に変更した。(*2)この変更に関しては違約金は発生しない。
ただし、これに伴い、(パケットし放題フラットで増額されていた分の)月々割が480円減額され、1440円となった。
つまり、バリュープログラム(i)から、標準プライスプランに変更したのと実質同義である(ただし、従量制パケット定額の上限は他のスマートフォンと同じ5985円となる)。
少々複雑ではあるが、トータルの月額を見てみよう。

  • @nifty WiMAX Flat年間パスポート

= 3,591円

  • @nifty お手軽1コース(ISP契約)

= 262円

  • SoftBank 標準プライスプラン(中途変更)

ホワイトプラン(i) 980円 + S!ベーシックパック 315円 + パケットし放題forスマートフォン 1029円(3Gパケット通信をしない場合の最低維持費) +新スーパーボーナス割賦(2年払い、 iPhone4 32GBモデルの場合) 2400円 - 月々割 1440円
= 3284円
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= 7137円
となり、従前の料金と比較して3000円程度安くなる見込みである。
また、このうちiPhoneの実質負担額が月額960円あるので、完済後はソフトバンクの月額は2200円程度となる計算である。
今回かかった初期費用・実質損失としては、

  • WiMAXモバイルルータ代 2800円(うち送料800円)
  • 月々割減額分の損失 480円×残回数11回 5280円
  • NTT西日本回線使用料割引プラン違約金 3675円

となっているが、違約金に関しては一年以上使用していたことで通算割引金額と同程度の金額であることと、
さらに7000円キャッシュバックが控えているので、差し引きトントンである。

WiMAXの使用感




現在、自宅/外出時ともに、インターネットはWiMAXモバイルルータの通信だけで行っている。
自宅内での電波強度はやや弱いが、下りはおおむね3~5Mbps程度、上りは1~2Mbps程度出ており、通常のネット閲覧にさしも問題は無い。SkypeやMessengerなどのビデオ通話も、普通に使用できている。
外出時については、コンクリートで覆われた建物の中や地下鉄ホームなどで通信が不能となるが、基本的には町中であればどこでもつながる。WiMAXとMacBook Airを持ち歩いて、どこでもインターネットが出来るようになったのは大きな強みだ。

iPhoneは無線LANだけでやりくりできるのか

iPhoneの通信についても、現在、モバイルデータ通信をOFFにしてWiMAXからのWi-Fiのみで維持している(電話とSMSを使用するため3GはON)。
iPhoneをWiMAXのみで維持するメリットとしては、
・App Storeのファイル制限がない
・電池の持ちが良い(気がする)
・3Gよりも高速
・パケット詰まりなど(ソフトバンクの回線不良)がない
デメリットとしては
・外出時持ち物が増える
・MMSが使用できない
・当然WiMAXエリア外では通信できない
などがあげられる。WiMAXエリア外の通信については、多少のネットや調べもの(地図や乗り換えなど)であれば、一時的にモバイルデータ通信をONにしてパケット通信を行うという手段もある(ソフトバンクエリア内であることが条件だが)。

誰に向いている?

→スマートフォンを所持し、自宅や外出先でパソコンを使用する
→iPhone以外のスマートフォンで、割高なパケット定額プランを契約している(XiやULTRA Wi-Fiなども手)
→自宅回線とスマートフォンを一本化して節約したい人

まとめ

固定回線については、光からの変更ということでかなりの速度低下があったが、日常の使用では何ら問題が無い。
また、ごちゃごちゃとしていた有線回線が全て無くなったことで、部屋もすっきりした。ただし、素早いレスポンスや回線の安定性が求められるネットゲーム(FPSや大規模MMOなど)や大容量ファイルのやり取りがある場合は一考した方が良い。
今回WiMAXを利用するにあたって、自宅などでの通信品質を確認できるtry WiMAXというサービスも利用した。
これは、2週間無償でWiMAX機器を貸し出すもので、まずこちらを利用して十分確認した上での契約をお勧めする。
iPhoneの無制限パケット定額は、他のスマートフォンのそれに比べて群を抜いて安いが、それでも通信料としてみるとそれなりに高額である。それに、スマートフォンの普及に伴いトラフィックが激増している事情を鑑みると、いつパケット定額制が廃止されてもおかしくない状況でもある。これらを考えれば、WiMAXを、スマートフォンのパケット定額出費を節約する目的に使用するのはひとつの手段であろう。

*1:ユニバーサルサービス料は含まない

*2:iPhoneで中途変更できるのは2010年10月以前の契約者のみ