【持ち物まとめ】予備自衛官補の教育召集訓練に持って行くと捗るもの

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先日「予備自衛官補」という制度で、自衛隊の駐屯地に5日間の召集教育訓練に参加してきました。

訓練の間はもちろん駐屯地内の隊舎に泊まりこみで過ごすわけですが、時間に厳しく規則正しい集団生活を送ることで、いかに自分の普段の生活が怠惰であったかを思い知ることができました。

 

さて、5日間の訓練において、装備品・寝具などは全て貸与され、食事も3食支給・風呂も大浴場がありますが、当然身の回り品や下着類などは自分で用意する必要があります。

持ち物は、ある程度は送付される冊子にも記載されているのですが、あくまで必要最低限レベルです。

そこで、今回召集訓練に行き実際に5日間生活した中で、これがあったら便利だった・これを持って行ったら捗ったというものを紹介したいと思います。

 

2017年2月20日追記・更新

先日2度目の召集教育訓練を終え、晴れて「補」が取れて「予備自衛官」として任官されました。

厳冬期の訓練だったため、前回9月とは必要な持ち物も多少変わりましたので、冬期間の持ち物についても本文中で追記しておきます。

予備自衛官(補)とは

「予備自衛官補」とは、主に社会人・大学生・主婦など一般公募を対象とした自衛隊の採用制度で、決まった年数以内に、50日ないしは10日の訓練に参加することで「予備自衛官」として任官されます。

実際に「予備自衛官」となると、有事や災害派遣の際に召集に応じる義務が生じます。

上で50日ないし10日と記載したのは、一般公募で採用された場合は5日間×10回の50日間(3年以内に修了すること)、技能公募で採用された場合は5日間×2回の10日間(2年以内に修了すること)と、それぞれ違った訓練日数が定められているためです。

技能公募では、医療・法律・通信・電気・建築・語学など、各種の専門的な国家資格を持っている方が応募できます。

訓練を修了し予備自衛官となった際には、それぞれの免許・資格に応じた職種(医療系資格であれば衛生科、語学系資格であれば情報科など)に配属されます。

このとき、資格とその資格の職業での経験年数などで、相当する階級を指定されます。2度目の参加の時はドクター(医師免許)の方がいましたが、その場合「予備一等陸尉」になってました。いきなり尉官ってのも凄いですね… ちなみに私の場合は「予備二等陸曹」でした。

これ以降は1年に1回、5日間の訓練への招集参加義務があり、また非常時(防衛、災害、国民保護)のときにも招集に応ずる義務が生じます。

 

予備自衛官補の制度概要はこんな感じです。

私も今回、仕事で使っている医療系の国家資格を使用して、技能公募で入隊してきました。

予備自衛官(補)の訓練に持っていくと捗るものまとめ

持ち物の必要度合いに応じて、「必携品(必ず必要なもの)」「あると非常に捗るもの)」「あると捗るもの」「あると便利なもの」をそれぞれまとめてみました。

必携品(★★★★★)

自衛隊

予備自衛官補手帳

予備自衛官補辞令交付式の時に手渡されるか、不参加の場合は訓練日までに郵送で送られてくるはずです。忘れるのは最悪ですが、紛失するともっと最悪なことになる(公的な身分証明書と同様の扱い)と思いますので、絶対に無くさないようにしましょう。

教育訓練召集命令書

訓練開始日の1ヶ月前くらいから個別に郵送されます。B5くらいの小さな紙ですが、これがないと駐屯地に入れません。

印鑑

自衛隊からの訓練手当・交通費などの振り込み時などに使用するようです。

スタンプ印(シャチハタ)ではなく、きちんとした印鑑を持って行きましょう。

現金

往復の交通費に加えて、5000円程度あれば十分です。というか駐屯地内は最悪お金がなくても生活できます。なお、お土産などを買う人はその分多く持っていきましょう。

特に一番上の2点(予備自補手帳、命令書)は忘れた場合、駐屯地内に入ることすら出来ませんので、絶対になくしたり忘れたりしないようにしましょう。

 

あると非常に捗るもの(★★★★☆)

デジタル腕時計

自衛隊は非常に時間に厳しい組織です。基本的に、起きる瞬間から寝る瞬間まで時間に追われて過ごすことになるため、腕時計(特にデジタル表示)は絶対に必須です。

基本的に風呂に入っている時でも着けっぱなしなので、生活防水ではない、20気圧防水のモデルが望ましいです。

また標準電波を受信できるタイプの時計であれば、いつでも正確な時間を知ることが出来るため、個人的にかなりおすすめです。Gショックは各国の標準時を受信できる機能もついているので、旅行などにも使えますね。

私は上のモデル違いで金属と樹脂の複合素材バンドを使用した電波ソーラー・Gショックを着けて行きましたが、蒸れることもなく腕への付け心地も良く、最高の相棒でした。訓練後もとても気に入って使っています。

また、Gショックの一部の機種には、時計を内側に傾ける(いわゆる腕時計を見るポーズを取る)だけでELバックライトが自動点灯する機能が付いており、両手が塞がっているときや、消灯後のベッドの中でもすぐに時間が確認でき、非常に便利でした。

筆記用具・メモ帳

メモ帳は作業服(戦闘服)の上着ポケットに入れておき、いつでも取り出せるようにしておきます。特に教務・内務に命ぜられた人は、課業後に次の日の予定を聞かされて高速でメモし、他の人に正しく教えなければならないので重要です。

私は今回内務だったのですが、縦開きよりも横開きのノートタイプが便利だと感じました。

特にコクヨのレベルブックは、背表紙が硬いため手持ちでメモするのも楽で、また防水性もあるので特にオススメします。

筆記具はシャープペン(鉛筆)・3色ボールペン・消しゴム・油性ペン・蛍光ペンなどが必要です。中でも油性ペンは、支給品などに名前を書いたり、共用の冷蔵庫に入れるものに名前を書くときに使うので、絶対に1本持って行きましょう。

入浴用品(ソープ類、浴用タオル、バスタオル、風呂おけ)

自衛隊の浴室には風呂椅子以外、一切備え付け品がありませんから、シャンプーなどの浴用品は全て持参する必要があります。

小袋に入った一回使いきりのものを4回分持って行くのも良いと思いますが、上のような色分けされたボトルに、普段自宅で使っているものを詰め替えて持って行くと、訓練後余ったものも持て余すこと無く使い切れますし、次回も繰り返し使用できるのでオススメです。

風呂おけ(洗面器)も置いていないので自分で用意するのですが、PX(売店、駐屯地購買部)で売っている「戦人(せんじん)」シリーズの、タッパーのような商品が、個人的に非常に便利でした。

私の班の班長が使用しているのを教えてもらいPXで購入したのですが、四方がロックでき、パッキンもついているため全く浸水しませんし、内側に水切りできるバスケットが入っているため、入浴用品の乾燥などにとても役立ちます。衛生的にもGOODですね。

そして何より価格が安い(590円)というのもGOODです。駐屯地内の売店にも置いてありますが、「戦人」シリーズを作っているメーカーが直販サイトを開いているので、訓練前にこちらで色々買っておくと「こいつデキる」感が出ると思います。

洗濯用品(洗剤、洗濯ネット、ハンガー、洗濯バサミ)

下着や靴下なんかは、4足持っていけば洗わずに済みますが、戦闘服については2着しかありません。ですから必ず途中で洗濯をする必要が出てきます。また、インナーに着るOD(オリーブドラブ)または迷彩のTシャツも2着支給されますが、洗い替えがない場合は洗濯しないとやっていけません。洗濯機は課業後自由に使用できますが、使っても2回程度なので、上のような一回分で小分けされた洗剤を3個程度持っていけば十分でしょう。

また上のような、最近発売されたカプセルタイプの洗剤は荷物の中で漏れることもなく、使う予定の個数だけを持っていけば、嵩張らないので更に便利でしょう。

洗濯機は共用のため、使用状況によっては同室の人と一緒に、まとめて洗濯するときもあります。その時洗濯ネットが無いと、靴下やODシャツは混ざって誰のものか分からなくなってしまうので、大きめの洗濯ネットを持って行くと安心です。上の商品は、5サイズセットなので洗濯以外にも下着や靴下などのパッキングにも使用でき、とても便利でした。

ハンガーは個人用のロッカーに数本備え付いています。が、洗濯をすると基本的には乾燥室(物干場・ぶっかんば)に干すことになり、それに加えてベッドに掛ける戦闘服やロッカーの肌着などの分を考えると正直言って全然足りません。

ですから個人で更に4, 5本程度持参するのが良いと思います。

折りたたみできる携帯ハンガーなんて便利なものもありますが、軽く嵩張らない、一般的な針金ハンガーで十分です。靴下などを干すとき用に、洗濯バサミも5〜10個程度持って行くと便利です。

また、下の商品のような首の部分がくるくる回転するタイプのハンガーが1、2本あると、戦闘服をベッドの支柱に引っ掛けるときや、ちょっとした物干しをベッドの横のパイプなどに掛けるときにとても便利です。

 

あると捗るもの(★★★☆☆)

替えのODシャツ・迷彩シャツ(速乾性のもの)(春〜夏〜秋口)

支給品にも2枚OD(オリーブドラブ色)のシャツはありますが、2枚だと汗をかいた時の着替え・洗い替えなどを考慮すると、どうしても不足します。

ですから、2枚程度ODまたは迷彩色のTシャツを持参すると、とても捗ります。私は上の速乾素材のものをAmazonで購入し使いましたが、支給品よりオリーブドラブの色が濃く、また素材の肌触りも良かったです。

また、PXにも肌着だけでも色々な種類がかなり安価で売っていますので、不足したらそちらで追加購入するのも手だと思います。

機能性下着(晩秋〜冬〜初春)

冬季は上下パーカーや中綿のブルゾンなど、季節に応じた専用装備の支給はされるのですが、やはりそれだけではちょっと寒いです。特に射撃訓練などで、山の中の射場に行くときなんかはどれだけ着込んでも寒くて手が震えてしまいます。

裏起毛の長袖シャツや、吸湿発熱素材を使った機能性下着、たとえばユニクロで売っている極暖ヒートテック(オリーブドラブ色も売っています)などを2枚ほど持っていっておくと安心です。

制汗剤(暑い時期)

訓練中はとにかく汗をかきますので、時期によっては必携品です。香料のあるタイプだと他の人のデオドラント系の匂いが混ざって部屋の中が地獄になる場合もあるので、香りで誤魔化なさい無香料タイプがオススメ。

これに加えてメンソールタイプのボディシートフェイスシートなどがあれば更に心強いです。

消臭スプレー

戦闘服(作業服)・作業帽などは汗などの臭いが付きやすいですが、毎日洗うとけっこう大変です。しかも作業帽は1個しかない上、どの時間でも使うため基本洗えません。

作業服は2着支給されるので、一応洗い替えは可能なのですが、やはり2、3日着用して洗濯というサイクルが基本になると思います。

そこであると便利なのがミストタイプの消臭剤。

私は買い忘れたため、男性用消臭スプレーをPXで購入し訓練中に使用していましたが、帽子などに付いた汗の匂いなどは翌日にはしっかりと消えていました。一本持っていくだけで、かなり気分的に楽になると思います。

インソール

支給される半長靴(はんちょうか。革で出来たごっついロングブーツ)は重たく、また最初に入っている中敷もペラペラなため、一日中履いていると足が痛くなってきます。特に、基本教練・執銃教練などでは基本的に立ちっぱなしのため、足の保護は重要です。

中敷きはスポーツ系のゲルが入ったインソールでもいいですし、立ち仕事用のコンフォートタイプでもいいと思います。個人的には上のSUPERFEET(スーパーフィート)をおすすめします。登山などを始めとした各種スポーツで定番のインソールです。

また、基地内売店(PX)にも行軍用中敷きなど、色々な種類が売っています。

靴下

長い靴下もODシャツ同様に2足支給されますが、生地が薄く品質はあまり良いものではありません。

半長靴での靴擦れやムレを防ぐためにも、中厚〜厚手でクッション性・速乾性の高いものを選んだほうが良いでしょう。欲を言えばガチの登山用靴下がベストですが、スポーツ用・トレッキング用のものでも必要十分です。

また冬は、素材にウールなどを使用した、より暖かいものを持っていったほうが良いと思います。

色は黒やネイビーなど、ダーク系の色がおすすめです。

マルチタップ

居室はコンセントが少ないので(私のときは5人で2個でした)、夜の課業後はスマートフォンの充電やら作業服のアイロンがけなどでコンセントの取り合いになります。しかし、誰か一人がマルチタップを持ってくれば、すべてが平和的に丸く収まります。

2回目以降の参加の時は、前もって参加予定者同士で連絡しあって、誰が持ってくるかを決めておくのもいいかもしれませんね。

コードはなるべく長めのもの(2〜3m程度)を、またコンセントの口同士が離れているものを選ぶとよいでしょう(ACアダプタが干渉しないので)。節電用の個別スイッチ・集約スイッチなどは使わないので、最低限の機能があれば十分です。

 

あると役に立つもの(★★☆☆☆)

ソーイングセット

駐屯地に到着するとまずやらなければならないのが、ネームタグとワッペン(腕章)を戦闘服に縫い付けること。

一応、支給品の中にも超簡易的な裁縫セットが入っていますが、糸通し器すら付属しないので、着隊後の時間のない中、イライラすること請け合いです。

また、戦闘服・ワッペンともに素材が硬いので、素手でやろうとしても指が痛くなります。指貫きが1個あるだけで作業効率が大きく違ってきます。

ですので、指貫き・糸通し器・ステンレス製のハサミなどが入っているソーイングセットを1個持っていくことをオススメします。ちなみに100円均一のソーイングセットはオススメできません(針が弱く折れやすい、ハサミが切れない、糸通し器がすぐ壊れるなど)。

小銭入れ

食事後にそのまま売店に行く際や、風呂あがりにジュースを買いにちょっと隊舎の自販機へという時に、わざわざ財布を持って歩くのは気が引けますよね。私は普段遣いの財布にロングウォレットを使っているのでなおさらです。

ポケットに入るサイズのコインケースを一つ持っておけば、戦闘服のズボンのポケットにも入れられますし、ちょっとした買い物のときにも便利です。

革製のものより、帆布やスウェット素材などの布系のものがおすすめです。

耳栓(射撃のある時のみ)

一般では第三段階、技能ではIIタイプのときに、実銃を撃つ射撃訓練があります。

当該訓練のときは耳栓が支給されますが、使い回しで衛生上よくない上、ヘタってあまり遮音効果がないものもあるので、気になる方は持っていったほうがいいでしょう。

上で紹介しているMOLDEX(モルデックス)の耳栓は、遮音効果がとても高く、カモフラ柄もあるためおすすめです。

ジップロック

一日分の下着類・ODシャツなどをまとめておいて、すぐにカバンから取り出せるようにパッキングしたり、 濡れたタオルや汚れ物をしまっておくなど、多種多様に使えます。特にジップロックのフリーザーバッグは袋が分厚く破れにくいので、おすすめです。

トランプなどのカードゲーム

正直に言えば、訓練は仕事であって遊びに行くのでは無いのですから、不要ともいえるのですが…

しかし訓練の回数を重ねていくと、最初は時間のかかっていた課業外作業(ベッドメイキング、半長靴の靴墨、プレス<アイロン掛け>、入浴、洗濯など)も皆早く終わるようになり、それなりに暇を持て余します。基本教練とか射撃姿勢の予習をするのもいいですが、5日間外出できないのですから息抜きだって必要です。

こういったときに、部屋全員で遊べるようなちょっとしたカードゲーム、ボードゲームなどがあればけっこう楽しいですよ。カード麻雀なんかもメンツがいれば盛り上がるでしょう。

ジュージャン*1の代わりにも使えます。

個人的にオススメするカードゲームはUNO(ウノ)ですね。一回あたりのプレイ時間も短いですし、戦略性が高いうえにルールはほとんど皆知っていますし、もし知らなくても説明が簡単です。

また、ワイルドドロー4やドロー2などを重ねて出せる・次のプレイヤーも連続で出せるルールで遊ぶ(私はこのルールが公式だと思っていたのですが本来のルールだと1枚だし・連続無効なんですね)とかなり盛り上がります。

ただし、金銭を賭けて遊ぶのは絶対にやめましょうね。警務隊に捕まりますよ!*2

TASPO、吸っている銘柄のタバコ(喫煙者に限る)

たばこ

喫煙する時間はそれなりにあるのですが、タバコがPX(コンビニ)では売っていません。

訓練期間中は駐屯地外にも出られないので、仕方なく隊舎に設置してある自販機で購入するのですが、当然TASPOが必要になります。

また、自販機にある銘柄はメジャーなものだけで(メビウス各種・セブンスター・マルボロ各種・ケントくらい)、自分の吸っている銘柄がない場合がありますので、2箱くらい余計に持って行くと良いと思います。

私は常喫しているピースがなかったので、泣く泣くセブンスターを買って吸ってました。

なお、喫煙は所定の位置(私の訓練した駐屯地の場合隊舎の渡り廊下の途中にあるドアの外でした)に煙缶(えんかん、と読みます。自衛隊用語で灰皿のこと)があるので、課業の合間の休憩時間や課業外に吸うことが出来ます。

タバコを吸っててなによりも有用だと思ったのが、喫煙所でのコミュニケーション、いわゆるタバコミュニケーションといわれるものですね。

5日間、同じ区隊の人たちと喋る機会はたくさんあるのですが、なかなかそれ以外の人と喋る機会がないので、いろいろな人と気軽に話せる喫煙所では面白い話が聞けたりします。

名刺

名刺

特に技能の訓練では各地から色々な職種の人が集まりますので、意外なところで人脈を作るきっかけになります。私の参加した班でも、医療系職種同士で名刺交換していましたし、かさばるものでもないですから、とりあえず持って行くと何かの役に立つかもしれません。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

駐屯地のPX(コンビニ)は品揃えがかなり充実していますので、訓練中に必要だな、と思ったものは大抵置いてあります。しかし商品のバリエーションが少ないため、いかんせん選択の余地が無いのです。

なので予め、必要だと感じたものは買っておいたほうが、いざ訓練に行っても時間に追われずにゆとりをもって過ごせると思います。

*1:ジュースのおごりを賭けたジャンケン。全国の自衛隊で通用する用語。アイスを賭けたアイジャンなども

*2:缶ジュース、食事などの「一時の娯楽に供するもの」を賭け、その費用を他人に負担させた場合は賭博罪を構成しないと判例がありますが、このニュース記事の場合は金銭、つまり「一時の娯楽に供するものとはいえないもの」を賭けたため懲戒処分になっています