エス・テー・デュポンのライターのヒンジピンを作って交換する(自作編)

デュポントップ

以前の記事で、エス・テー・デュポンのライターをオーバーホールしましたが、今回は折れやすいヒンジピンを自作する方法を紹介します。

 

デュポンのライターの独特の開閉音の濁りは、ヒンジピンの汚れや金属疲労によるところが大きいです。ちょっと音が悪くなったと感じた場合は、ヒンジピンを取り外して清掃するだけで改善される場合もありますが、何度も開閉することによる金属疲労でヒンジピンがヘタってしまったり、ピンに対してそれを入れるヒンジの穴が削れて大きくなることでピンが抜け出たりしてしまうことがあります。こうなると最悪、ピンが折れてしまったり、ピンがいつの間にか紛失していることなどがあり、注意が必要です。

 

ピンの交換は、デュポンに依頼すれば5400円(税込)で修理していただけるようですが、ちょっとした工具があればDIYでも純正の物より耐久性に優れたピンを製作し、交換することも可能です。以下で解説します。

使用する道具・工具

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ドリル刃(ピンの素材)

刃のついた部分ではなく、後ろのチャックの部分をカットしヒンジピンの代用として使用します。使用状況に応じて必要な太さは変わってきますが、1.0mmと1.1mm、更に1.2mmがあれば問題はないと思います。

また、できれば木工用ではなく、金工用のものを選んだほうがよいでしょう。

理由としては、金工用のドリル刃はHSS鋼(高速度工具鋼、ハイス) が使用されており、硬度が高く、突然の欠けや折れに強い「高靱性」であるため、繰り返し力が加わるようなヒンジピンにとって、とても相性の良い金属であるためです。

また、純正のピンは磁石にくっつかないため、おそらくアルミ製(あるいはアルミ合金)だと思われます。これは、ネット上で散見されるような「デュポンのヒンジピンは折れやすい」といった問題の原因にもなっています。

これに対して、HSS鋼で作ったピンは耐久性が非常に高いため、長い目で見れば自作したピンの方が、ノーメンテナンスで使用できるのです。

ホビールーター(ダイヤモンド砥石のもの)

切断した上のドリル刃の断面を整えたり、太さが合わない場合に削って調節するのに使います。HSS鋼は超硬合金ほど表面硬度は高くありませんが、それでもビッカース硬度で700を超えるため、ダイヤモンド砥石のついたルーターが必要です。

私は最初に電池式の安価なものを購入しましたが、トルクが無く速度調整もできないため、上記の電源式ペンシルルーターを購入しました。

付属品も多く、そこそこのパワーもありオススメです。

 

 

ワイヤーカッター

ドリル刃を切断するために必須です。私は持っていたロードバイク用のワイヤーカッターを流用しました。切断直径は太くても1.2mmなので、あまり気張らなくてもいいとは思いますが、HSS鋼なのでラジオペンチ程度では切断は厳しいでしょう。

ラジオペンチまたはクランプ

ルーターで削るときに、ピンを固定するために使用します。手持ちでも作業はできますが、疲れる上にまんべんなく削ることが出来ないため、あると作業が楽になります。

 

 

自作・交換

まず純正のヒンジピンを外します。

ヒンジピンの外し方などは以前の記事を参照してください。

その後、ドリル刃の刃が付いていないないほうを本体のピン穴に入れてみて、きつくハマるかギリギリはまらないか程度の太さのものを選択します。おそらく大抵のライターは1.1mmでギリギリはまらないのではないでしょうか。この時若干キツいながらもピッタリハマるものがあれば、太さの加工は不要なのでラッキーです。

 

次に外した純正のヒンジピンの長さよりも、少し余裕を持たせてドリル刃のチャック挿入部分を切断します。短く切ってしまって失敗するよりは、長く切ったほうが余った部分も削れば済む話なのでちょっと長めにとりましょう。

この切断時はヒンジピンにするほうの短いドリル刃が衝撃でぶっ飛ぶと思いますので、できれば袋や箱のなかで行ったほうが良いです。最悪紛失しますので...

切断したヒンジピンを穴に合わせて太さを調節します。ギリギリはまらないものの場合はルーターを使い、円周を削っていきます。できるだけ均一に、ただし削り過ぎないように逐次太さを確認しながら削りましょう。

太さの目安は指で押し込んだくらいでは簡単に入らないが、ポンチで叩いて楽に入るくらいがベストです。

ピッタリハマった場合は最後に切断面を整えていきます。HSS鋼の切断面はほとんどが斜めになると思いますので、平らになるように、尖った部分を削っていきます。

この時も逐次穴に入れてみて、削り過ぎないように長さに注意してください。

切断面の反対側は平らだと思いますので、加工は不要ですが、円の周囲部分に丸みを若干持たせるように少し削ってあげると見栄えが良くなります。

 

 

交換してみました

交換後

交換後の画像です。

銀色のドリル刃を使う場合は、ほとんど純正のものと見分けがつきません。

ただし材質がアルミからHSS鋼になることで、開閉音も少し甲高くなり、長く響くようになりました。

もちろん耐久性に関しては純正のヒンジピンの比較にならないでしょう。

自作をすることで、デュポンのライターに愛着もよりわきますし、何かあった時でも自分で対処できるようになるため、オススメです。