超便利な速射ストラップ「Carry Speed PRIME FS-SLIM MARK III」レビュー

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BLACKRAPIDから買い替えた理由

今回、BLACKRAPID カーブ RS-7 速写ストラップからの買い替えになります。

今までブラックラピッドを使っていて不満だった点として、

・三脚ネジを占領し、クイックシューの脱着が面倒

・他の三脚ネジを使う製品との互換性がない

・サルカンがカメラ本体にぶつかることで、傷がつく

・出っ張りが邪魔で、テーブルなどに普通に置けない

などがありました。特に私は三脚を使ってよく星景撮影などをすることが多いので、そのたびにストラップを外して、クイックシューを取り付けて...という作業が非常に煩わしかったのです。

そこで今回、以前から狙っていたCARRY SPEED社製のストラップへの買い替えを行いました。

国内代理店の無い不遇の良品

CARRY SPEED社の速射ストラップ製品は、数年前まで国内大手のハクバによって輸入・販売が行われていました。

しかし、競合するBLACK RAPID社から、カメラ吊り下げ関連のパテントに関して訴訟を起こされたようで、日本を始めとする世界各国で販売できなくなり、もちろん国内代理店のハクバは撤退。

これによってハクバのホームページからCARRY SPEEDの名前が消え、公式の英語サイトも消えてしまいました。現在は復活していますが、縦に長く中身の薄い楽天市場みたいなすぐに消えてしまいそうなホームページが存在するのみとなっています。

ページ内リンクは取り扱い方法を説明したYoutubeの動画と、通じるのかわからないCARRY SPEED社へのメールアドレスのみという潔い仕様となっております。ただ、製品の発売に合わせて、更新はきちんと行われているようです。

このために、CARRY SPEEDは

・どの製品が販売されているのか

・各製品ごとの仕様、製品ランクの差

・従来の製品と新製品の差

が全く分からないため、ユーザーを混乱させている側面があります。これについては近いうちまとめたいと考えているところです。

2015年12月現在のところ、2015年発売の、FS-SLIM MARK IIIとFS-PRO MARK IIIが最新製品のようです。今回はその中のFS-SLIM MARK IIIを購入しました。

PRIME FS-SLIM Mk.III 開封の儀

 

 

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箱は紙製ですが、表面はマジックテープで開くようになっており、内部にはストラップの一部を覗ける窓と説明書きがあります。カジュアルな外国人の写真+縦長の箱で某B社製品を彷彿とさせますが、ふれないでおきます。

 

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中身を取り出すと、ストラップのショルダーパッド部分でその他パーツが入った小箱を巻くようにして入っていました。ショルダーパッドには燦然と輝くMARK IIIの文字が。

キヤノンのカメラとかでもそうなんですが、MARK IIIという響きがとても甘美なものに感じられるのは私だけでしょうか。

 

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梱包をバラすとこんな感じ。箱にはステッカーが貼付。中にも、台紙付きのものがもう1枚入ってます。そういえばBLACK RAPIDにもステッカーついてましたね

 

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箱を開けるといろいろ出てきました。

 

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丸まっているパーツをさらにバラしました。

ハンドストラップ(写真左上)、回りこみ防止用のクロスストラップ(写真中央上)、クロスストラップ用の交換用カラビナフック(写真中央中段)、アルカスイス互換クイックシュー付きプレート(写真中央右下)、脱落防止ストラップ(写真中央左)、ストラップ本体(写真下段)といった感じ。

その他にCARRY SPEEDのステッカー、三脚ネジにプレートを取り付けるときに使うアーレンキー(六角レンチ)が付属します。プレートはコイン等でも締めることは可能ですが、出来る限りアーレンキーで締めることをおすすめします。カメラへの固定力が違います。締め付けが弱いと、プレート が回転してしまうことがありますので。

 

 

ストラップ・システム

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▲シュー・ストラップ・ショルダーパッド・クロスストラップと、ハンドストラップを装着した状態

基本的な構成では、

カメラ→クイックシュー→ボールヘッド→ストラップ→ショルダーパッドという風に接続します。

ボールヘッドの位置とその可動域はよく考えられており、レンズなどにぶつからないように設計されています。また以前のモデルでは、ボールヘッドとストラップをつなぐ部分(下の写真)はねじ込み式だったようなのですが、現行品では、ストラップ側のパーツを引っ張りながら反時計回りに回すと簡単にロックが外せる2タッチ式に改良されており、ボールヘッドからの脱着も、とてもスムーズに行うことが出来るようになりました。

また各パーツの加工精度も非常に高く、どのような場面でも安心して使うことが出来ます。

 

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また、クイックシューには6箇所ネジ穴が切ってあり(上の写真右下)、ここにハンドストラップをつけたり、その他三脚ネジにつけるようなアクセサリーを取り付けることができるようになっており、システムの拡張性が非常に高いです。

 

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ちなみに、以前使っていたBLACK RAPIDの固定方法はこのような感じ。システムは非常にシンプルで取り回しもしやすかったのですが、いかんせん脱着が面倒。

また、三脚ネジの締め付けもあまり強くできず、サルカンが直接ついているために、使用中に固定がだんだん緩んでくる時があり、若干不安な部分もありました。

ショルダーパッド

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これまでのCARRY SPEED製品は、ショルダーパッドに通気性のための穴が空いており、このために長期間使用するうちにそこから裂けてしまったりするという報告がAmazonレビューなどで上がっていました。

私もこれについては多少なりとも懸念していた部分だったのですが、このMARK IIIからは穴がふさがり、肩に当たるパッド面の素材と、滑り止めパターンもかなり改善されたように感じられました。

 

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肩に当たるパッド面。ネオプレーン様の伸縮性のある素材で、ブロックタイヤのパターンのような凸凹した滑り止めがついており、肩にかけても滑りにくく安定性が高いです。

この部分は従来品と比べても、かなり分厚く、破れにくそうな素材に変わっているため、かなり長持ちしそうな印象です。

ちなみにBLACK RAPIDはショルダーパッド部の素材に防弾チョッキなどにも用いられているバリスティックナイロンを使用しています。

感想

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良い点

製品の造り、質感が非常に高い。

BLACK RAPIDと比較すると、各部の作りが非常にしっかりしています。また、製品自体の質感もよく、満足感・所有する喜びの高い製品になっています。

ストラップ脱着が簡単、クイックシュー脱着不要

BLACK RAPIDから変えて、これが一番恩恵を受けています。ストラップを肩がけしながら三脚を持ち、必要なシーンではパッとカメラを外して雲台に装着できる。速射ストラップでは他の追随を許さないレベルの快適さです。

アクセサリー・付属品が充実

最初から入っているアクセサリー類が非常に充実しており、ほとんど買い足す必要がないため、購入後の出費が抑えられます。クイックシューもアルカスイス互換ですから、対応する雲台を購入するだけで済みます。

 

 

悪い点

システム重量が重たい。

システムを構成する部品数が多いので、致し方ない部分ではありますが、BLACK RAPIDと比べると重たいです。肩にかけている分にはパッドの幅と厚みのおかげで重さは感じませんが、テーブルなどに置いて持ち上げた時にやっぱり重たいな、と感じます。

ストラップの長さの調整範囲が完全に欧米人向け

私の身長は175cmなのですが、カメラが快適に使える高さにストラップの長さを調節したところ、ストラップはかなり短くなりました。165cm以下の人が使う場合だと、調整範囲内で収まらない可能性があります。完全に欧米人向けの設計です。

総評

ストラップ装着時の速写性という点でいえば、逆さに吊り下げるという部分でBLACK RAPIDとCARRY SPEEDのシステムは同一なため、あまり大きな差はありません。

ただ、三脚へのアクセス性、ストラップ脱着の簡易性という点では非常に有利で、システム自体の拡張性もCARRY SPEEDのほうが高いですね。

BLACK RAPIDがその特許にあぐらをかいて製品の改良に熱心に努めないなか、CARRY SPEEDはユーザーの声を取り入れながらかなりの頻度で製品の改良を行っていますし、単純にガジェットとして見た場合でも、CARRY SPEEDのほうが圧倒的に高級感があります。

ただ現在、Amazonなど国内流通市場では、初代(ボールヘッドにねじ込むタイプ、ハクバが売っていたもの)・Mark II(と思われるもの、ショルダーパッド改善前)・最新(Mark III)と1つの製品ラインで3種類の商品が混在し、更にそれらがFS-SLIMとFS-PROに分かれて販売されており、とてもわかりづらくなっています。

これらの違いなどは近いうちにまとめようと考えていますが、今のところ「Mark III」と記載のある製品を購入するのが賢い選択といえるでしょう。

 

後日、アルカスイス互換雲台を購入し、完全な撮影システムを構築しました。

CARRY SPEED×アルカスイス互換雲台の組み合わせは三脚へのアクセスが超速で出来るので、おすすめです。