小鳥ちゃん!うちにもご飯作りにきてくれ!!雨隠ギド「甘々と稲妻」

雨隠ギド「甘々と稲妻」1、2巻まで読みました。大変良かった!

既刊数刊のおすすめ漫画教えてくれ!みたいなスレで結構推されてたので、

アフタヌーン公式サイトで1話試し読みしたらがっつりハマってしまってその足で購入。

おおまかな話の流れとしては、

「子供一人を残して妻に先立たれた男性教師"犬塚公平"が、一人娘の幼稚園児"つむぎ"に美味しいものを食べさせてあげるために、教え子の女子高生・飯田小鳥と一緒に、彼女の母親が経営する定食屋で料理をして、美味しく食べる」というもの。

 

まあこう書くとあんまり面白くなさそうですが、そういう人は騙されたと思って1話試し読みしてみてください。

「子供もの」「料理・食事もの」って、漫画のジャンルとしてはけっこう鬼門で、当たり外れが大きいんですよね。その点、「甘々」はそこを上手く融合して、嫌みの無いお話になっているのが良いところです。

基本的には1話に一回は料理シーンが入るのですが、ストーリーも停滞せず、遅すぎず早すぎずのペースで進んでいるのも好感触。

女児とシングルファーザーという組み合わせは、終わり方にネット上で物議を醸した「うさぎドロップ」とオーバーラップするところがあったのですが、「甘々」はまずそういう展開にはならないでしょう。たぶん...

絵のタッチと話の展開の仕方から、女性作者なのかな?と思ってましたが、雨隠先生は男性みたいですね。ちょっと安心。

料理のシーンも行程をしっかり描いていて、単行本では幕間に前話のレシピが書かれているので、地味に勉強にもなります。

ま、それよりもなによりも、この漫画の一番大事なところは、

「小鳥ちゃんがかわいい!!」

ってことですね。制服エプロンで料理するとことか、料理前におろしてた髪をあげて、ポニーテールにするシーンとかぐっときます。先生はよくわかってる!

今のところ、目に見える恋愛要素はほぼ皆無なのですが、小鳥ちゃんが公平に対して、

「父親としての憧憬」なのか「年上の異性としての恋愛感情」なのか、非常にあいまいなところのココロの動きをしっかり描いているところも大変によいです。

 

あと、料理漫画の代表的なものに「食べるシーン」があると思うのですが、ここの描き方で作者の力量が計れると個人的に思っております。

「孤独のグルメ」みたいな、ゴローちゃんが独白しながらひたすら食べるのはもはや別格として、「甘々」は登場人物みんながとても美味しそうに食事するので、見ているこちらもお腹が減ってきます。

「他人が作った料理」を、誰かが美味しそうに食べてくれる、っていうのは本当にいいものだなあ、と改めて実感。

 

1巻は犬塚親子と小鳥の出会いがメインですが、2巻ではいつもの料理メンバーに新たなキャラクタが加わったり、男親ならではの悩みや小鳥の心境にも変化が出てきたりと、展開にも退屈させることは無いと思います。

新しいメンバーが入って、小鳥が今までの楽しかった自分の居場所が揺らいでしまうのでは無いかと悩む心理描写は共感できました。

3巻は9月発売のようですが、巻末予告もなかなか波乱含みの内容のようで、今からとても楽しみです。

評価・・・★★★★★